2010年5月23日

人間の建設 小林秀雄、岡潔 対談;6冊目 (1)

「世界的天才数学者とあの小林秀雄による史上最強の雑談」

とこの小さい文庫本(約190ページ本)を書店で見たときにまず飛び込んでき た。おお、面白そう!と思って購入した一冊。実は、対談本はいろいろと読んでおり、対談は、普通の本と違い、その場でのひらめきがあるので、そのひらめき をいくつ見つけられるか?そういった視点で対談本を読んでいる。今まで読んだ中で面白かった対談本を三つ挙げろと言えば、以下の三冊があがると思う。

人生は論語に窮まる/谷沢 永一

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対談 サラリーマンの一生―管理社会を生き通す (角川文庫)/城山 三郎

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人生、惚れてこそ―知的競争力の秘密/米長 邦雄

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これらの本については今回は詳しく取り上げないが、

渡部氏と谷沢氏の対談では、論語について、なぜ論語という本がこんなに世の中読まれているのか?いろいろな実例を挙げており、人生の経験と論語が結びつくパワーを感じられる。私は論語についてなにがすごいのか?についての下記の答えを知り、心した覚えがある、

「「あるがままに人間性を見る」というのは、「性善説でもなく性悪説でもない」立場を模索するということです。「人間の性は善なり」とか「人間の性は悪なり」とか、そういう決めつけを念頭に置かないという立場が「論語」の発想であり、「論語」のすごみです。」

城山氏と伊藤氏の対談では、サラリーマンとして生きていくためには、どういうことを心がけていったらいいのか?伊藤氏の得意の中国古典や本を読むこと、そして人生の原理原則を持つことの重要性を問う。たとえば、原理原則について伊藤氏は

「「論 語」に限らず、つまり語録とか、箴言というものは、やはりあらゆる哲学や経験が凝縮したものだからね。だから我々は、そぅいう語録や箴言で悟らされる。 長々とした概念では、とうてい悟れるものではないのです。そして、それを悟って行動の起爆剤にする。哲学は、人生に対する姿勢というか、ま、一種の原理原 則です。マズロー(アメリカの心理学者)が

「哲学が変われば、すべてが変わる」

といっているけど、それを持っているかどうかで、人生がずいぶん変わってくる。ある問題にぶつかったとき、自分の中に原理原則に問いかけることが出来ますからね。
「論語」の中に「君子は器ならず」という言葉がある。つまり、単なる専門家で終わっちゃいけない。プラスアルファがないと、本当の一流人にはなれない。」

そして、羽生氏と米長氏の対談では、入門の基準についてユニークな論を展開している。

「入門の基準は?
まず一番は、その本人の才能。その男の子の30才の姿を読み切れるものではありませんけど、だいたい読んで、これを想定して、少なくとも、四段になれるかなれないかが第一の基準
でも、四段になれるような、なれないようなのは、やったり判断も対応も難しい。そんなとき、私が尺度にしているのは、人間的なこと。まず技術的なものをま ず第一にみて、技術面で合格だと思ったら、それから人間的な面をみる。それは母親が父親(夫)を尊敬しているかどうか、この一点。
母親が父親を尊敬しているか?や才能などはすぐにわかるのか?
もうすぐにわかります。技術一般だってだいたいわかるでしょう。なぜ人間的な面をみるかといえば、その人が棋士として存在していることが、プロの世界に とってもいいことで、アマチュアにとってもいいことだ、両方にとっていい、ということでないと困る。自分の周りに幸せな人間が多くて、幸せな人に囲まれて いれば、そういう人生観が形成されるのです」

このように、対談はひらめきが面白い。私はそれは適切な質問ができるか否かではないかと思う。なぜ、原理原則を持つ必要があるのか?どういった人が将棋の棋士の才能を発揮するのか?論語はなぜこうも人を引き付けるのか?など

ちょっと、文章の量が長くなったので、次のブログで、小林氏、岡氏の対談の内容について書こうと思う。