2010年6月6日

時代を見抜く「統計思考力」 神永正博 18冊目

未来を考える上で、そして未来を予測していくうえで何が大切なのか?

私自身、統計の考え方が非常に重要だと思っている。様々なデータ をとってきたうえで、一般化していくうえで統計学の考え方ほど便利なものはないから。そこで、絶えず統計に関する本はチェックし、実際何冊か読んでいる が、統計については、考え方を述べた本と具体的にどのような道具があるのかといった二種類の本があると思う。今回神永正博氏の本、「時代を見抜く「統計思 考力」」は考え方を述べた本で、非常に分かりやすかった。

なぜわかりやすかったかといえば、まず、データ分析力=統計思考というものに対してその必要性について非常に簡単に書いている点である。

データ分析が、自力でものを考える際に強力な武器になる。

そして、その武器を身につけることによって

他の人が気付いていない問題を見つけ出し、自分で考えて結論を出すことです。
だれかが書いたデータの解釈を読まされている状態から、
自分でデータが読めるようになれば、見える世界が変わってきます。

と。そこで、この著作では、データを三つの切り口から述べている。

1)データを見ること
データを情報源(元データはどこにあるのか)を調べること。
必ずしもデータが正しいとは限らないことを知ること。

2)データを読む
統計学の基本をまず知る。
そこから正しく読むこと。

3)データを利用する
未来を予測すること
思考を練磨すること

いずれも非常に面白い切り口で、こういったフレームワークを理解しておくと、市場調査や薬の効き具合などもよくわかるので、今後自分の仕事にも役立ちそ う。中でも、一番おもしろかったのは、1)のデータを見ることで、著者が「若者の読書離れは本当か」について検証してみた部分。

著者は本 の売り上げが、1997年をピークに売り上げが落ちていることと、インターネットの閲覧者が増えてきているのでそれが関連しているのではないかと話を進め た後、1か月の平均読者冊数の推移をみたデータを紹介。それによると、小学生がなんと、1978年の4.5冊に比べ2008年は11.4冊へ、中学生は、 2.0冊→3.9冊、高校生は1.4冊→1.5冊になっている。

また、図書館の貸し出し数は、直線的に増加、2006年の貸し出し数は、6億5500万冊と86年の4億1800万冊に比べるとなんと、2.5倍以上。また、書籍、雑誌の流通をみると、2006年の出回り冊数は、12億8324万冊だったという。

ということは、若者の読書離れだとか、本離れということが嘘となり、実際は、本は読まれていることになる。

こういった着眼点がいたるところに、この本ではちりばめられており面白い。

私 自身は、活字離れはそれほど進んでいるわけではなく、どちらかということ質の高い本が少なくなってきているためというのもあるし、本の買え控えが起きてお り、図書館に行く人たちが増えているのではないかと思われる。現在、図書館やマンガ喫茶、そして現在の電子書籍などで、あえて本を購入しなくても活字を読 めるようになって現代。どう発想していくのか?この本はそういった意味で非常に興味深い。

不透明な時代を見抜く「統計思考力」/神永 正博

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