2011年5月18日

【T#2】脳はストーリーを欲している。~構造から見た場合

現在、名古屋にて日本神経学会に参加している。脳疾患の治療薬の仕事をしているためその情報収集が目的である。

考えてみればこの脳というものは非常に不思議なものである。全ての臓器に繋がっていて制御室のような役割だけでなく心も宿っているとも考えられている。

進化論的に考えると、(少し簡単に述べると)人間の脳は色々なものをどんどんつけたして出来たという。つまり、ゼロから作られたわけではなく、様々な生物からの進化の過程でできたものを加えてできたものである。しかも一度できるとそのスイッチをオフにすることが出来ない。ある意味、つぎはぎだらけで作られたといっていい。

人間の脳は、主に動物から受け継いだ脳をもとに、情報を処理する必要が出てきた。そのため脳が大きくなった。そして新しく入ってくる情報を過去の記憶を参照しつつ、編集し直して新しく記憶する(夜夢見るときに処理が行われているらしい)。たとえば、目で見たものの情報のうち実際脳が使うのは、2割。8割は、脳の過去の情報だ。

そして、記憶といえば、感情。記憶をつかさどる海馬と感情をつかさどる扁桃体は隣接している。強い感情、心に残る感情があればあるほど、記憶も強くなるのである。

また、興味深いことに左脳は、ストーリーを作り上げる能力に長けている。ということは、このように脳は、外の断片的な情報と脳内部の記憶断片をもとに、絶えず、ストーリー(物語)を作り上げる。宗教や神話でのストーリー作りはこのような働きによるものでしょう。

私は、このブログで、タロットや芸術作品、科学などについて触れてきたが、そこで優れた人は、感性の豊かな人、つまり心に残るストーリーが描ける人だといってきた。

やはり、心に残る、ストーリー、記憶に残るストーリーは脳の構造から見ても人は欲しているのだと、素直にうなずける。これから私も、いろいろな心に残るような体験をたくさんし、自分の感性を磨いていきたいですね。