2011年6月27日

【E#7】博士号(PhD)を取ることの意味~何が身につくのか?社会に役立つのか?

非常に刺激的なタイトルをつけてみた。はたして、PhDを取る意味があるのか?それとも大学は最高でも修士までとどめておくべきか?

博士号は、日本でとる場合には、最低でも大学4年と、修士2年、博士3年の合計9年かかる(ちなみに私は合計で11年かかった)。その上、博士号から就職をすると、通常大卒に比べて5年も遅くなってしまう。そのため5年遅れて社会へ旅立とうとする人にとってどういった能力を社会は求められるのか?それを知った上で、自分が他人には負けない差別化ポイントがないと民間会社は難しい。

そうはいうものの就職難と国家の博士号量産政策のためか、「何も考えずに」最近、博士号取得者が増えすぎてしまっている。しかも、助教、准教授、教授のポストの人数も限られていることはわかった上でである。

自分の経験から振り返ってみると、この問題のある博士号取得には、視野が狭まるというデメリットを凌駕するメリットがたくさんあると考える。

たとえば、

1)論理的思考が身につく(→論文を書くから)

2)科学に対する見る目が養える(→感性が磨かれるというべきか?)

3)新しい発見をするために、短時間にどの情報を集めたらいいのか?わかる。

ということは「どうやって考えるのか?」といった洞察力が身につくのだ。

興味深いのは、欧米の場合には、博士号取得者は研究の道を歩む人はごくわずか(米国では、研究の道というは野球選手並みに成果を上げていく人ではないと生きていけないという認識がある)であり、ほとんどは民間にでていく。そういった、受け皿はあるし、社会からリスペクトされ、生かされている。前のデンマークを本社とする製薬会社でも博士取得者は上に行けば行くほど、結構いることに驚かされた。また、中退とはいえ、googleの創業者も博士課程まで進んでいる。

翻って、日本では博士取得者がその先、どのようなキャリアを選択できるのか?企業もどのように使っていいのか?わかっていないだと思う。しかし、私は今博士取ることに対しては、チャンスがあるように思う。終身雇用が崩れ、企業は即戦力を求めているからだ。

ただ、意識として持っておくべきなのは、研究で学んだ知識や技術ということは脇に置いて、その身についた考え方、を生かすのだという気持ち、そういった頭の柔軟性を持つことである。そうすれば、仕事はいくらでも見つかるのではないか?ものの考え方や洞察力はどの会社でも必要とされているのだから。