ロルフィングの最初の3つのセッションは、表層の身体部分を調えることを主眼としている(「【RolfingコラムVol.10】Training Phase II〜表層筋のセッション」を参照)。。セッション1は上半身(「【RolfingコラムVol.11】Training Phase II〜セッション1:呼吸を調える」を参照)、セッション2は下半身(「【RolfingコラムVol.12】Training Phase II〜セッション2:足を調える」を参照)、そして本ブログで触れる、セッション3は上半身、下半身の統合の順番で一つ一つ、表層にある赤色のピンをとって行き、身体を調えていく。
セッション1と2では、上半身と下半身という身体の上下に注目して施術を行っていったが、今回は身体の側面に注目して、上下に前後の空間の広がりを持たせるように身体を意識させる。三次元の意識についてはいろいろとあり、西洋の絵画史をみるとその考えが様々であることを本ブログで触れた(「【RolfingコラムVol.14】Training Phase II〜絵画史と身体」を参照)。
セッション3は、肩・腕、背骨、腿の3ヶ所に注目する。
肩も腕も体側面にあり、身体の前後のバランスを整える上で重要な役割を担っている。歩行時に腕を振った時に、前後の動きがあることを思い出していただければわかりやすいと思う。
肩といえば肩甲骨。肩甲骨は、首にある筋肉(肩甲挙筋)により上から、背中の筋肉(菱形筋)によって背中とつながっている。筋肉とつながった肩甲骨により肩の可動性の確保している一方で、その分安定性を低下させているため、重力の影響を受けやすい。ロルフィングでは、肩の緊張を解放することで、肩こりを軽減させ、肩の可動性を増し、腕がしっかりと力強く振れるように身体を整えていく。
ヨガには、チャトランガ・ダンダーザナ(四肢で支える杖のポーズ)というポーズがある。肩甲骨付近(特に前鋸筋)を強く感じるのに適したポーズだが、このポーズは肩甲骨の使い方がわかっていないと取りにくい。セッション3では、この近辺を働きかけ、このポーズを取りやすくするセッションだと考えてもいいかもしれない。
背骨には、頚椎、胸椎、腰椎、仙骨とカーブ(湾曲)を作っているが、その湾曲が筋膜の緊張によって崩れていることがある。そのカーブを調えることで、腰痛の軽減へつなげていく。
最後に、下肢の腿近辺にも働きかけるが、ここでは骨盤と下肢との間の動きに制限を加えている筋肉(腸頸じん帯(ITB)、腿骨間膜(interosseous membrane)等)、筋膜系の緊張を解いていく。
この3カ所を中心に取り組むことで、身体に三次元の意識をもたせ、可動域を広げる。また、セッション4以降の深層筋への意識を持たせるための礎となる。
セッション3の目的(goal)をより明確にすると、以下のようになる。
身体の観察(body reading)は、体全体は重力をどのように感じているのか(前か後か?)?、歩きについてどう見ているのか?上半身は重力をどのように感じているか(前か後か?)骨盤の傾きは?歩行の音は?肩周りはどうか?脊柱のカーブは?そして呼吸は?等を観察する。
自分自身へのbody readingの結果は、主に以下の4つのポイントが挙げられた。
そこで、ベッドに肩を下にし、私自身は左・右向きなり、施術者は、骨盤周り、骨盤と腰方形筋(Quadratus lumborium)、腸頸じん帯、腿骨間膜、膝、肩甲骨近辺(菱形筋、前鋸筋、棘下筋、棘上筋、三角筋等)のそれぞれの筋膜を順番に解いていき、坐骨付近の筋膜を緩め、最後に背骨と足との関係を意識する立位で背骨近辺の筋膜の緊張を解いていった。
セッション3を終えて実感した変化として
が認められた。
いずれも身体が立体的に捉えられるような変化であり、動きに広がりを感じさせた。3回のセッションを終えた段階にもかかわらず、歩きがこれほど軽くなるとは思えないほど居心地がいい。身体内が広がった感覚もある。セッション4以降は、より深層へと施術を進めていく。身体の変化が楽しみだ。
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