2014年10月24日

【R#21】Phase II(10)〜基本的な考え方〜2方向性(palintonicity)

Palintonicityという言葉はロルフィングで頻繁に出てくる。「前後を伸ばす」というギリシア語のpalantonosから由来するこの言葉は、英語の辞書にも出てこない用語のため分かりにくいが、動きには二つの方向性をみることの重要性を捉えたロルフィング独自の用語だ。

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以前ロルフィングにおいて歩行は、

「下半身が地面をしっかりと受け止めた(重力とともに着地した状態の)上で、上半身の可動性を増すこと」

が大事であると述べた。

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これはPalintonicityでいうところの、身体が2つの方向性を持つこと、すなわち下半身は重力を感じる(下向き)、上半身はそれを土台に背筋が伸び、自由に動く(上向き)という原則に則っている。このとき、最も自然な動きができる。

例えば、椅子に座る際も、足が地に着き、椅子で坐骨を支え(足と坐骨が下向き)、坐骨をベースに上半身を上に伸ばす意識(上半身が上向き)を持つと、もっとも適した動きになる。

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また、呼吸を行う際に、上下、左右、前後の3種類の動きがあるが、これもまさしく2方向性を示していて、これらの動きを意識できると呼吸が深まる。

2方向性については、ヨガのポーズをとるときにも大事だ。

2013年にヨガのティーチャートレーニングを受けた際に、ヨガのポーズの観察法は、下から上を見ることが重要であると学んだ。これは、ポーズを観察し、生徒がポーズに対して問題を抱え、その人が快適なポーズになるようにヨガの先生がアジャスト(補助)する際に、下からみて徐々に上に行くということである。下は、土台であり、そこをしっかりと整えてから、上を整えるということを意味する。

三角のポーズ(トリコナーサナ)を取る際に、足の土台(左右前後のバランスがどうか?)を見た上でアジャストし、上半身へ向かう。そうすると快適なポーズが取れるようになる。

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2方向性に注目して動きを追うと、肩こり、腰痛等は、上半身と下半身は二方向性ではなく、双方とも下向きの意識になってしまっている為に起きると場合が多い。座るときに坐骨への意識が低下し、背中が丸まり、上半身の背筋を伸ばす意識がなくなるからだ。本ブログでも触れたことのある、アレキサンダーテクニック。脊柱と頭との関係を通じてこれらを軽減させる方法は、いわば、頭が脊柱を押す意識をやめ、結果的に上半身の背骨が伸び、上向きに方向性を変える一つの方法である。

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2方向性から身体を観察するというのは、ロルフィングの基本。身体観察の際には是非ともこの原則を忘れずに行っていきたい。