【R#25】Phase II(14)〜セッション4〜骨盤底を調える

いよいよセッション4からコアのセッションに入る。セッション4、5、6は、骨盤の上(大腰筋、仙骨や背骨)、下 (骨盤底や内転筋)を整えていく(4は内転筋〜骨盤底付近、5は大腰筋、6は、背骨と仙骨)。
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セッション4は、骨盤底(pelvic floor)と内転筋(adductor muscle)を調えることが大きな目標。そのプロセスで身体の真ん中にある中心軸(medial line)が調っていく。
上半身は、頭、首、背骨、仙骨、骨盤まで中心軸が通っている。しかし、下半身になると突然消える。その代わりに身体が考えたのが、内転筋と骨盤底を発達させること。能楽師であり、ロルファーの安田登氏の著者「ゆるめてリセットするロルフィング教室」では、それをバーチャルな中心軸と表現した。
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もちろん、本来骨があるべきところに、筋肉でもっと支えることになることから、内転筋や骨盤底に負担がかかる。そこで、この2つに注目して施術を行っていく。
内転筋は、足を内側に内転(足を閉じる)時に使われる筋肉群。恥骨と坐骨から大腿骨まで伸びている筋肉で5つの筋肉群からなる。歩行や立位に関わり、何点金が硬くなることで骨盤の前傾やX脚の要因となる鍛えることで足が細くなり、歩きも美しくみえるようになる。デスクワークが多い世の中ではこの筋肉を使う機会が減ってきてい筋肉群である。
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ロルフィングでは内転筋に働きかけるが、足と内転筋がしっかりと内側でつながっているのか?足の動きが回内か回外か?といった観点も取り入れて施術を行う。特に足の距骨、舟状骨と踵骨との筋膜を緩めることで足底アーチへの意識も高まり、回内・回外の動きが滑らかとなり、より足が地面についた状態になる。
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骨盤は、下半身の安定と上半身の動きを作る基礎。上半身の背骨は骨盤から伸び、下半身の軸となる内転筋の大部分は骨盤から出ている。骨盤は身体内の内臓を受けとめる容器の形をしていて、骨盤の底には骨盤底と呼ばれる筋肉群がある。鍛えるとお腹、背中、太ももに力が入り、中心軸が調う。しかも腹圧が上がって下腹部が凹み、背骨が伸びて姿勢が改善されていく。
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骨盤底への施術を行うためには、横隔膜(diaphragm)や胸腔の頂上付近(首回り、pleural dome)の深層への働きがけも必要となるが、これはセッション5へ繋げる意味合いが強い。
セッション4の目的(goal)をより明確にすると、以下のようになる。

  1. 中心軸(medial line)を調える。
  2. 脚のバーチャル中心軸を調える。
  3. 脚のバーチャル中心軸から脊柱への中心軸へつながりように身体を調える(セッション4は、骨盤の下を、セッション5は骨盤の上を調える)。

身体の観察(body reading)は、体全体は重力をどのように感じているのか(前か後か?)?、上半身は重力をどのように感じているか (前か後か?)足の動きは回外・回内のバランスが調っているか?脚の動きに左右差があるのか?骨盤は前傾?後傾?等を観察していく。その結果、自分の身体内で感じたこととして

  • 胸が上下(上は首、下は腹直筋)圧迫を受けている状態で背中が丸まっている。)
  • 胸骨の下に筋肉の緊張を少々感じる
  • 脚の右が左よりも重力を感じる。余計な回転が右側で起きている。
  • 胸椎の後湾症(Kyphosis)が認められる
  • 足が地面と対話し、背骨とつながった感覚がある。

セッション4の結果
そこで、身体を肩を下にした状態で脚の足内側アーチ、腿、膝、骨盤底の施術が行われた後、仰向きになり首回りの施術が行われた。
その結果として、歩きに課題があることがわかった。私の歩きの特徴は、大腰筋に力が入る。そこに繋がる直腹筋が上向きに引っ張られ、かつ胸式呼吸よりも腹式呼吸(これはおそらく長年のアシュタンガヨガの練習)優位のため、首・鎖骨からの引っ張りで、胸が圧迫された状態となる。そのため胸椎が長く腰椎が短くなるので背中が丸まった状態になる。
walking body
今後、歩行の際

  1. 大腰筋の余計な力を抜くこと
  2. 鎖骨から胸付近で呼吸ができること
  3. 首付近、特にAO関節(頚椎の1番目と頭蓋骨の関節)で動くこと

が課題となりそうだ。
今回の収穫としては、足がより地について歩けるようになったこと(足の回外の意識が調った)、左側の股関節の可動性が増したこと、肩のバランスが整ったこと、右側の足の回転が軽減された。一方で、首付近の緊張がなかなか取れない。これから先の課題になりそう。
歩く
セッションが進むにつれて、だんだんと課題が明確になる。私の場合には、大腰筋、鎖骨から胸、首付近の動きが課題になりそう。セッション5は、骨盤の上に位置する大腰筋を扱う。いかにここの部分に余計な力が入らなくするかが課題となるので、楽しみだ。
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