2014年11月2日

【R#27】Phase II(16)〜言葉の広がりと人間の多様性

科学論文を書く際には言葉の定義から始まり、過去の業績を引用しつつ新しい発見は何か?を書く。フレームワーク(序論・方法・結果・考察)はある程度決まっているのだが、見るのは人間。ストーリーにするにはある程度心が動くようなものにまとめていく必要がある。以前、科学はアートの世界に近いことをブログで触れ、感性もロジック同様重要であることを述べた(科学とアートの世界〜発信や感性、情緒といった共通点など)。元々は感性も重要であると考えていたが、今回改めて、ロルフィングのトレーニングでロジック(技術を含める)ではなく感性について色々と学んでいる印象だ。

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本ブログでは、ロルフィング用語として、ArticulationPalintonicityEmbodiment等について触れてきた。本来ならば言葉の定義から授業が始まるはずなのだが、Giovanni先生の面白いところは、あえて言葉の定義について一つ一つ説明するのではなく、生徒に考えさせることにある。Embodimentについては「【RolfingコラムVol.22】身体感覚とEmbodiment」にて触れたが、身体の動きを通じて、言葉を五感を通じて自分自身で答えを出させるといったアプローチをとる。

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例えば、Articulationは、空間(スペース)であると定義すれば簡単だが、Embodimentのセッションで身体の使い方を学ぶと、身体内でのスペース、自分の身体の外で感じるスペース、相手とのスペース(距離感)、音の間のスペース等もスペースと捉えることができ、言葉の使い方がより広がる。

解剖学の用語も、知っていること(暗記すること)を重視するのではなく、筋肉についてEmbodimentで自分の身体で感じ、ロルフィングの施術の練習、観察を通じる動きをしる。五感を動員するため、まるで一つ一つの解剖学の用語は単なる文字ではなく生きた、奥行きのある状態で自分の頭の中に入ってくることを期待しているかのようだ。

基本的に一人一人の人間は異なった存在。人間の多様性を理解するためには、自分の中で多様性を受け入れるだけの土壌が必要である。実体験を通じて言葉を理解すると、感性も磨かれるのみならず、多様性の理解にもつながるのではないかと思う。

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このような教育をヨーロッパで受けるとは全く思わなかった。ヨーロッパの懐の深さを感じると同時に、歴史が長く、多様性のある文化がこういった土壌を育てているかのようだ。

これからも、言葉の深みを一つ一つ噛み締めながら、後半のロルフィング・トレーニングに臨んでいきたい。