2015年7月29日

【Y#22】チネイザンLevel 1(2)〜哲学と距離感

プラクティショナーコースも2日目(2015年7月28日)。昨日の後半からチネイザンに必要な基本的なテクニックを学ぶことに費やされた。へそ周りをどのようにアプローチするのか?手をどのように当てて、どれだけの力加減で行っていくのか?手を使ってどのように観察していくのか?をメインに、2日目は内臓の一つである大腸を解剖学や解剖模型を参考にしつつ、観察と触診を行っていった。

Drop of water

興味深いのは手技に費やされた時間が意外と短かったこと。並行して簡単な瞑想、太極拳をどのようにして行っていくのか?についても取り上げられた。なぜ、チネイザンを習う場なのに、瞑想や太極拳を取り上げていくのだろうか?疑問に思うことがあるかもしれない。

大内さんによると、施術者が安心感・信頼感をもって相手と接しなければ、チネイザン自体がうまくいかない。そしてこの安心感・信頼感というのは、深くその感じを味わった人とそうでない人との間に明確な差がセッションに現れるという。これらは、身体の動きを通じて訓練が可能、太極拳や瞑想を通じて養っていけるというのだ。

【氣内臓コラムVol.4】で「TaoZenモーニング・プラクティスとロータス瞑想」に参加した際、大内さんは瞑想には

「なぜやるのか?」=哲学

という要素が大切だということを強調していた。そのため大内さんは、たびたび本コラムで触れているようにARTという考えが重要だという。

  1. 技=TECHNIQUE
  2. 美・情感=ESTHETICS
  3. 哲学=PHILOSOPHY

そして、哲学を重視せずに、1と2のみだと自分が上手くなることに専念することにつながることから、エゴがむき出し。傲慢になっていく。こういったトレーニングを受けるのは初か?というとそうではない。

昨年、ロルフィングのトレーニングを受けていた際、Phase IIのGiovanni先生は、身体の見方と絵画史との関係について取り上げていた(【RolfingコラムVol.14】参照)。

Giovanni先生曰く、三次元の身体の意識や身体がどのように外部空間をみているのか?西洋の美術史を通じて変遷してきたという。キリスト教が全盛であった中世の時代は、身体を二次元で捉える単純な身体表現及び空間表現をした絵画が多くみられた。ルネサンスに移り、ジョット(Giotto)は、絵画に三次元的な空間表現や人物の自然な感情表現を取り入れるようになる。といったこと。

23

身体に対する見方が広がると、絵画の描き方にも変化があるということを授業で取り上げること自体私にとって新鮮だったし、大内さんの言葉を通じて、改めてその重要性を実感したという感じだ。

安全と信頼感というのは、施術者と受ける側との距離の取り方についても言える。手は心臓と2つの経絡でつながっているという。その理屈からいうと心と手は繋がっているといえる。トレーニング期間中に、施術を受けることに対しても上手くなるためにどうしたらいいのか?言われる機会が多い。贈り物(Gift)というのは、贈る側と受け取る側の2者から成り立っているが、受け取る側の方がはるかに難しく、これも一つのART。だからこそ、訓練を要すると。実際に太極拳で足を通じて地球を感じるというエクササイズを通じて受け取る訓練を身体で感じることをしていった。

globe_nasa

手をどのように使って施術をするのか?ロルフィングのトレーニングの時はあまり意識していなかったが、筋肉と内臓へのタッチは全く違うものを感じた。例えて言うならば、内臓を扱うには母が子供を抱きかかえ、いたわるというイメージであり、筋膜を扱う際には、手を自由にして身体の重さを使ってゆっくりとアプローチしていくという違いだ。

iStock_000000632016Small

2日目(2015年7月28日)のトレーニング終了時に、パートナー同士で背中合わせになり、背骨を通じて相手に委ね合うというエクササイズを行った。施術者とクライアントとの距離感の取り方を知る上で、一つの面白い体験だった。興味深かったのは、お互いが離れる時だ。相手によってはさっと、離れるという形をとることがあったが、その場合には今まで何で信頼感を得ていたのに・・・。という考えになった。ロルフィングのトレーニングでも身体に体験させるという姿勢は学んだことだったので、こういった考え方は腑に落ちる(【RolfingコラムVol.22】参照)

大内さんによると、手技をつかったボディワークでどこかをアプローチする際には、身体に入るよりも、離れる時の方が努力が必要という。離れる時にさっと離れると、「寂しい感じ」や「信頼感を減らす行動につながる」可能性が大きいからだ。大内さんの表現では離れる時はARTという表現の仕方で言ってた。

施術者と距離の取り方はテクニックのみならず、施術者側の態度も出てくる。私自身、ロルフィングを行っている際、ニュートラルと相手にスペースを与えて体感していただくという考え方を重視しているが(詳しくは【RolfingコラムVol.87】参照)、人と向き合いながら施術を行っていくという姿勢を学んだりと、すでにどのように身体へアプローチしていくのか?学ぶことが多い。

これからもトレーニング期間中気づいたことは記していきたい。