2015年7月31日

【Y#24】チネイザンLevel 1(4)〜身体とは?

本コラムを書いている間、NHKの朝のテレビ番組(2015年7月31日に放送)を見ていたら、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授のインタビューが放映されていた。ノーベル賞を受賞される前に医学系の学会で講演でiPS細胞の発見に至った経緯について話したのでが、その中で興味を持ったのが、ご自身が大切にしているVW(Vision and Work Hard)の言葉。山中教授がグラッドストーン研究所の所長から

「研究者として成功する秘訣はVWだ。VWさえ実行すれば、君たちは必ず成功する」

と言われたという。

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山中教授によると日本人はWork Hardは得意(深夜まで実験をすることや残業をすること)だが、長期的な目標を設定するVisionが欠けているという。

そういえば、チネイザンのプラクティショナー・コースを受けていると、

「なぜチネイザンを提供するのか?」

ということを考えさせてくれる(【氣内臓コラムVol.8】参照)。本コラムでも何度も取り上げているが、トレーニングは自分の心のあり方や身体の調え方を身につけることの方法論の方が、チネイザンのスキルを学ぶことよりも多くの力点が置かれている。そこが、ある意味ロルフィングのトレーニングにはそれほどなかった大きな発見だった(ロルフィングのトレーニングの総集編については【RolfingコラムVol.101】参照)。

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トレーニングも4、5日目に突入したが、チネイザンのテクニック(大腸、小腸や皮膚等へのアプローチ)と哲学をバランス良く配置し進められている形だ。本コラムでは、4日はチネイザンの手技の練習に充てられたので、5日目に話されたボディ(身体)について紹介したい。

ボディワークを行う際にボディというのは何か?というのを考えたほうがいいという。トレーニングの中では、

「ボディとは何か?」

参加者と語り合った。そこには科学で果たして納得すべき答えが得られているのか?や常にボディワークと対峙する際には考える必要があるということも話題に上った。その後、本題へと移っていった。

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大内さんの定義するボディ(身体)とは、器又は空間(スペース)。その器には、7つの要素があるという。

  1. 身体・肉体(Physical Body)
  2. 感情体(Emotional Body)
  3. 思考体(Cognitional Body)
  4. 氣(Prana、 Gi)
  5. 魂(Soul)
  6. 精神・霊(Spirit)
  7. 身体を超えるもの(No Body)

身体、感情体、思考体や氣などはイメージしやすいが、魂、精神・霊、身体を超えるものは想像するのが難しい。魂とは、Identityがあるもの、例えばI am、We are(私、我々)や自分の枠などが決まったようなものを指し、精神・霊は、identityがないもの、例えて言うならば重力のようなものという。身体をこえるものとは、人間が認知できなようなものや宗教で扱うものを想像できればわかると思う。

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チネイザンが扱うのは、1〜4で一部5が入る形になる。へそを通じて身体・肉体へアプローチを取るが、内臓を扱うということは内臓にたいしてつながり、感謝の気持ちを示すことから感情体に触れる。そして、内臓を通じて氣の流れにもアプローチすることになる。思考体については、いろいろな影響を与えるという。

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施術を受けた人は、仕事について考え直すようになるケースが出てくることで思考体が変わったりするというが、大内さんご自身の体験が一番興味深かった。愛というのを交換と捉えていた彼は、触れたくない人間がたくさんいたにもかかわらず、この人たちと出会い、手を通じてチネイザンで対峙。愛というのは、すべての人を選ぶ力がないとダメという結論に至ったという。愛の考え方が変わることによって仕事観も変わり、仕事に関わる経済的や効率性を求める姿勢というのが不要であることに気づいたらしい。

ボディワークは、上記の1〜4を少なくともカバーするものであることを絶えず見つめ直す必要があるという。幸運なことに私が取り組み始めたロルフィングも1を通じて、無意識の身体地図を書き換えることで、2〜4をカバーできる(身体地図については【RolfingコラムVol.74】参照)。

ロルフィングは、如何にしてγ運動神経系を活性化して、身体内のエネルギーの効率の高いTonic muscleを最大限生かしていくか?の手法であり、以前Hubert Godard氏が唱えたTonic Function説について紹介した(【RolfingコラムVol.42】参照)。Tonic muscleを中心としたTonic functionは、structure(身体の姿勢や構成、重力等)、coordination(身体がどのようにして動くか)、 perception(世の中をどのようにみるのか?)、meaning(どのように世の中に対して意味付けを行うのか?)の4つの要素によって影響を受けるということを考えたことである。今まで述べてきた、1〜4をちょうどカバーする形になっている。

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チネイザンのトレーニングに参加していると、ボディワークの原点に立ちかえることができる。手技も基礎的なものが多いので、今後自分のロルフィングにたいしても役立ちそう。

次回、チネイザンと感情の側面から書いていきたい。