【R#146】ERA Mentoring Session(4)〜パリでの体験:基礎を大事にすること〜Hubert Godard

2016年9月2日(金)、午前7時45分。Paris Gard de l’est(パリ東駅)のそばにあるレストランで待ち合わせ。クロワッサンと紅茶の簡単な朝食をとり、地下鉄4を使ってMontParnasse Bienvenue駅へ。ほぼ30分の電車で、予定時刻よりも早く到着。少し周辺を散策後、午前9時にHubert Godard先生のパリ在住時のアパートへ。
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Caryn McHoseが、Hubert Godard先生へのインタビューを行った’Phenomenological Space‘によると、Hubert Godard先生はもともとコンテンポラリー・ダンサーとして活躍していたが、膝への怪我を通じて、オステオパシーやボディワークへ興味を持つようになる。ほぼ50年近い経験をお持ちという。Hubert Godardがスペース・空間に対して興味深い考えを持っているが、それについては「身体と心(6)〜Tonic Function(3):Space」をご参照いただきたい。
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ミュンヘン・トレーニングのPhase Iで一緒だったSuzanneと、Phase IからIIIまで一緒だったArnaudの合計で3名でMentoringに参加。複数でMentoringに参加するのは私にとって初だが、3時間という大きな時間枠をいただくことができるので、本当に充実な時間となった。しかも、初対面での先生の笑顔はなんでも聞いてもOKという印象を強く受けた。
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普段はミラノを本拠地としてロルフィングのセッションを行い、パリは教えるために滞在するとのこと。そのわずかな滞在期間でチャンスをつかむことができた。
今まで学んできたことを惜しみもなくシェアしてくれるだけではなく、名前も一人一人忘れないように、最初にパソコン画面でメモを取ってから、時々画面のメモを見ながら呼んでくれるという配慮まで。フランスの知人が驚くぐらいの気の遣い方の私も心が動かされたのと同時に、ロルファーへのリスペクトも感じることができた。
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極めた人は、例外なく同じことを言う。それは基礎を大事にするということ。Hubert先生も例外ではない。
「ロルフィングで大事なのはグラウンディング(Feel the 2 feet on the ground)。足のつま先と踵を含め全体的に使えること。その上で全身がその足に乗っている状態になるためには矢状面(Saggital Plane)に注目。身体の前後での動きが重要であり、呼吸を見る意味はそこにある。だから第一セッションがある」
と、わかりやすくロルフィングの基礎であるグラウンディングの考え方を話しながら、原理原則に触れつつ、その後必要とするテクニックを述べていくスタイルをとった。
又、Body readingの基礎的な内容の復習も行われた。足が全身に乗っているかどうか、チェックするために身体を観察するが、その際に、どこを注目したらいいのか?肩帯、骨盤帯のどこに緊張があるのか?背骨はどうなっているのか?を含めた観察が、基礎からの説明から入るので、いい意味で基礎トレーニングの復習となった。三者三様違ったタイプも良かったと思う。
それから、テクニックへ。
私たちの質問の中で大きな比重を占めたのが、テーブル・ワーク(ベッド・寝ている状態で行う施術)よりもシッティング・ワーク(起き上がったときに行う施術、椅子に座って行う施術がメイン)。
シッティング・ワークの際に、背骨を見たときに前後に注目。前の場合には後ろの動きを、後ろの場合には前の動きを取り入れながら、重点的に筋膜へアプローチしていくこと、側屈については、肩帯のローテーターカフを含めたワークを紹介していただけた。
今回明確になったのは、基礎を大事にするということ。学んだことを実践すること、それを積み重ねることによってのみ、スキルが上がっていくということの大切さだ。
基礎に忠実に自分の学んだスキルをそのままやってみるという今までの姿勢が大事だということがよくわかり、今後ともその方向性でセッションを進めればと思っている。
Hubert先生のセッションが終わった後の食事を最後に紹介して本コラムを終えたい。
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