2016年11月3日

【B#38】人工知能と未来(1)人間と人工知能のそれぞれの強みをどう理解するか?

2016年10月27日(木)、「LIFE SHIFT〜100年時代の人生戦略」の講演会へ参加。今後100歳まで生きた場合にはどのような人生戦略を立てていったらいいのか?その戦略を考えるためのヒント満載だった(「LIFE SHIFT〜100年時代の人生戦略」参照)。

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今の仕事が残らない場合の例として、人工知能についても話題となった。私の自分軸セミナーで、「どのように仕事と向き合うのか?」について取り上げている(「自分軸を整えるセミナー:3回目〜自分軸と働くこと」参照)。

キャリアについて考える(2)〜全体像を知る」で

英国経済誌のEconomistの記事を紹介(’The New Methuselahs‘)。アメリカのS&P500社にリストアップされている企業の平均寿命が1958年で61年だったのに対して、2011年には18年。そして、現段階の500社のうち2027年には75%の企業がなくなるだろうと予想している。

そして、日本でも似たようなデータがある。中小企業白書2001によると企業の寿命が25年で、人間の平均寿命の約80年を大きく下回ること。

又、人工知能の発展に伴い、10年後には人間の仕事がなくなる可能性を指摘した、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の報告されている(日経新聞記事より)。

ビジネスへのインパクトとして、人工知能は今後どのように発展していくのか?を知るため、何冊か人工知能に関する本を手にとってみた。

将棋の世界で、人工知能のソフトに負ける棋士が現れている。将棋の世界で人工知能がどのようなインパクトを与えているのか?12人の棋士のインタビューをまとめたのが、「不屈の棋士

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パソコンソフト(ソフト)と人工知能が将棋どのように関わっているのか?が詳細にまとまっているのと同時に、どのような距離感で棋士が人工知能を見ているのか?対人間の対戦を楽しむファンがいる限り、ゲームとしての将棋や棋士の商売がなくなることはないのだ、という意見が多かったのは印象的で、羽生善治棋士は言ってなかったが、ソフトの方がはるかに実力は上だという意見を言う棋士もいたのに驚いた。

そして、人間とソフトがどのように共存していくのか?考える棋士が多くなっており、人工知能と接する上でのヒントも語られていたと感じた。

人工知能と経済の未来」は、人工知能の未来についてビジネスの側面から書かれている本。

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著者は30年後の未来、全人口の約10%しか労働している社会になるかもしれない、といったこと予想。それは、人間というのは、人工知能・ロボットに負けない幾つかの領域の中で

クリエイティビティ系(創造性)、マネジメント系(経営・管理)、ホスピタリティー(もてなし)

の3つのジャンルが生き延びるだろう(その割合は1割程度)という仮説に基づいている。

結果として、ベーシック・インカムという考え方を取り入れた方がいいのではないか?ということを言う。ベーシック・インカムというのは、収入の水準によらずに全ての人に無条件に、最低限の生活費を一律支給する制度。

他に産業革命と経済についても示唆に富むことが書かれていたが、概ね著者の考えは悲観的だ。

「本当に、そういったシナリオになるのだろうか?」

やはり言葉を含めて人工知能というものを知った方がいいのではないかと感じたので、入門書を手にすることに。

用語を知る上で有用だったのは「絵でわかる人工知能」(あえて関連本を勧めるとしたら、この一冊を進めたい)。

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この本は、2章以降に人工知能の用語の詳しい説明が入っているが、1章(「人工知能と自然知能」)と終章(「人工知能にできること、できないこと」)が一番役立ち、大枠を捉えるためには、何を知ったらいいのか?わかりやすくまとまっている。

参考にこの本で人工知能の定義は

「生き物(人間、動物)の自然知能をコンピュータの上で実現すること」

他にも、今話題の機械学習とディープラーニングについて漫画とともに理解しやすかった。

人工知能の技術の一つ、ディープラーニングがGoogle、Amazonをはじめとしてどのように取り組んでいるのか?どのような会社を買収してビジネスの一線を戦っているのか?をわかりやすくまとめたのが、「AIの衝撃」。

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GoogleやアマゾンなどIT企業にとって、次世代の人工知能・ロボットの技術はユーザーとの間で情報のやり取りをする「次世代の情報端末」という視点が非常に興味深く、SNSやスマートフォンの会社で握られるような個人情報は、機械学習やロボットによってますます加速すると予想。機械学習の覇権を握れば、情報を独占することが可能になることから、人工知能の技術に対してしのぎを削っているということを同書では述べている。

脳科学の発展についても触れており、ディープラーニングは、脳神経の理解が進むことで発展してきたことも紹介した。

同書で創造性について

「創造性というのは物事を結びつけること(コネクション)に過ぎない」

と述べているが、人工知能でも創造性を発揮する場面が出てきており、環境問題、砂漠化、大気汚染などの問題についても一定の役割を果たすのではないか、といった可能性についても述べている。

最後の一冊。人工知能の歴史を語った「人工知能は人間を超えるのか?」。

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ディープラーニングについてわかりやすく書かれていたのだが、

「後半の今の技術でどこまで可能なのか?」

がうまくまとまっており、人工知能についてはわかっていないことがまだ多く、単純に人工知能によって支配される、と考えるのは短絡的だということが理解できた。

人工知能に関して何冊か手にとって見てわかったことは、人工知能という考えを知る上で

「人間ができることと、人工知能=コンピュータができること、それぞれの強みをどう理解したらいいのか?」

その上で、どのように共生していくのか?が大事になってくるように思うことだ。人工知能の知識については、技術の視点のみならず、こういった視点で見ていきたい。

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