2017年2月5日

【B#47】学習について〜継続的に学んでいくための学習法について

以前、本コラムにて、ビジネスへのインパクトとして、人工知能は今後どのように発展していくのか?について書いたことがある(「人工知能と未来について」参照)。

そして

キャリアについて考える(2)〜全体像を知る

英国経済誌のEconomist誌をの記事を紹介した(’The New Methuselahs‘)。

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アメリカのS&P500社にリストアップされている企業の平均寿命が1958年で61年だったのに対して、2011年には18年。そして、現段階の500社のうち2027年には75%の企業がなくなることに触れた。

自分の仕事がなくなっていくことが予想される世の中で、新たなスキルを磨いていくためにはどういった継続・生涯学習が重要なのか?

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その現状についても、最新(2017年1月12日号)のEconomistにLifelong Learning(生涯学習)についての特集が組まれ、6つの記事が紹介された。

Lifelong Learning is becoming an economic imperative」では、以下の統計数字が取り上げられている。

1)Pew Research Centreの調査によると、4年制の大学を卒業したとして、現代の高収入の仕事が得られると考えた米国人はわずか16%。

2)1982年〜2001年に学位を取得した米国の平均労働者は31%給料が上がったのに対して、その後12年でそれほどレベルの高くない大学で教育を受けた人に比べて、より給料の減少率が高かったという。その期間、大学の授業料は上昇している。

3)毎日決まった仕事(Routine Jobs)は、米国で1996年で25.5%だったのに対して、2015年には21%まで減少。その結果、700万人が失業している。MITの調査によると、スキルのない労働者は、2007年から2015年の間に55%の職が失われたらしい。

これは、2017年1月にシアトルを訪れた際に、現地に住んでいる友人からも学び続けなければ給料が上がっていかないとことを伺っていたので(「シアトル(2)〜アメリカはどのように変化しているのか?:Uber+同国の職場環境」参照)、絶えず学び続けなければならなという、米国の現状をこれらのデータは現していると思う。

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では、

「新たなスキルを身につけて再就職していくためにはどういった取り組みがなされているのか?」

本記事では、20都市で活動を展開するGeneral Assembly社の取り組みを紹介。10〜12週のトレーニング(プログラミングの勉強がメイン、授業料は9,900〜12,400ドル(約115万円)でスキルを身につけ、就職活動を開始後180日以内に99%の人が仕事を見つけたという。参考に、現段階で同社の卒業生は35,000人に及ぶ。

創業者のJack Schwartzさんは、ご自身がお金をかけて学位とMBAを得たのに、費用対効果が悪いということに気づき、このような取り組みを思いついたという。それにしても、就職率の高さには驚かされる。どのような教育システムをしているのか?本記事では詳しく書いていなかったが、知ってみたいと思わせる。

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もう一つの記事を紹介したい。

Pathway Dependency」では、ニューヨーク連邦準備制度の調査で給与が上昇するのは25〜35歳の間で、45歳以降はわずか2%のみが生涯給与の上昇があるという。

本記事には、大学を経ないのスキルを提供する職務専門学校(Vocational Program)についての取り組みが紹介されている。

興味深いのは、職務専門学校は、大学を卒業していない人にとっては仕事を得る上では、有用な手段となっているが、今の仕事から別の仕事へ移る際にはあまり有用な手段になり得ないということを述べていること。

今回のEconomistの特集記事を読んでいると、まだまだ成人の生涯継続教育については、どのように取り組むべきか?まだまだ模索中の段階で今後の発展に期待という印象を受けた。

最後に、一冊本を紹介したい。

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アンダース・エリクソン著の「超一流になるのは才能か努力か?」だ。

子供が成長していく段階で才能をどのように見極め、開花させていくのか?自分の能力を少しだけ超える程度の負荷(コンフォート・ゾーンを少し超える程度)をかけつづける学習法を限界的学習法(Deliberate Practice)と名付け、様々な事例を用いて、その有用性について述べている。

ある一定のレベルに達すると、そのあとの練習は改善・成長には繋がらない。医師や運転手として20年経験している人は、5年経験しているに比べて少し劣っているという研究結果を紹介。理由として、これらの自動化(Automated)の能力はDeliberate(限界的)の努力を持たないと徐々に衰えていくという。

では、どのように限界的学習法を考えたらいいのか?

練習をする際に、どのような弱点があり、どう改善するのか?目的を持つこと。そのために練習を細分化する。その際、コンフォート・ゾーンから出ることも大事になる。そして、優れたコーチからフィードバックをもらうことも重要だ。といった考え方が紹介されていた。

コンフォート・ゾーンから出るということは、今までできなかったことをできるようになること。ということは解決策は、一生懸命やるというよりも、違ったアプローチを試すということ。

フィードバックは、自分の上達度合いをモニターするのと同時にコーチによるモティベーションの維持にも繋がっていく。以前「表現すること(2)〜ピクサーと創造性」で取り上げた、エド・キャットムル著:「ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

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には、Braintrustという専門家による作品のフィードバックを与える会議があり、ピクサーのアニメの作品の質の向上とビジネス上の成功につながっている。

このように学習法については色々とわかってきていることがある。そうはいうものの、継続・生涯学習についてはまだまだわからないことがある。引き続き、このテーマについては見聞を深めていきたい。

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