2017年3月17日

【B#52】フィードバックと強み(2)〜成果に結びつく行動に注目し、その行動を促す言葉をかけること

フィードバックについての大切さについては「フィードバックと強み(1)〜自分の強みは、行動を知ることから」にまとめた。

フィードバックはなぜ必要なのか?強みとの関係について触れた後に、自分を客観視するのが難しいことや、

フィードバックというのは伝え方を含めた方法論を学ばないと、自分のエゴが入ってくる可能性が高い。

エゴが入ると、人間はいいところよりも悪いところに目がいくから、弱みを見てしまうこと、等について書いた。

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実は、もう一つ理由がある。

(「Ed Catmull and Amy Wallace: Creativity Inc. – Overcoming the Unseen Forces That Stand in the Way of True Inspiration」(邦訳:「ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法」)によると

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神経科学者の説として、人間がモノを見るために目を使うのは40%で、残りの60%は過去の記憶や経験によってもたらされるという。つまり、見えなかった部分を必死になって脳はその空白を埋めることになる。

過去の経験に左右されるということは、つまり過去の「思い込み」にも影響を受けるということを意味する(「思い込み」については「自分軸とは?(2)〜「思い込み」と「ジャッジすることに気づくことが大切」参照)。フィードバックの重要性はお分かりいただけるかと思う。

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さて、最近フィードバックについて、なるほど!と思う一冊に出会った。

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Bringing Out the Best in People – How to Apply the Astonishing Power of Positive Reinforcement (3rd edition)」(未邦訳)だ。

本書では、どのように人に対してフィードバックしたらいいのか?わかりやすく書かれている。

「人間は成果を上げていくためにどのような行動をとったらいいのか?」

という観点で、成果を上げていく行動に注目し、それを促すようにフィードバックしたほうがいいと述べている。

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例をあげたい。

一般的には、成果を上げるために人は様々な行動をとる。その結果、何らかの結果が出る。

結果が出ない場合には、

「なぜあなたはそのような行動をとったのですか?」

という観点で見がち。

その際、人は、行動そのものよりも、行動に先立つもの(本書ではAntecendentという言葉を使っている)、例えば、

モティベーション、欲求、ニーズ等

に注目していることになる。

同書では、

「成果(行動によってもたらされた結果を成果と定義(Consequenceという言葉で表現)を出している行動をしているかどうか」

で判断すべきであり、

「どのような行動ならば成果が上がるのか?」

という観点で行動を評価し、その行動を促すようなフィードバックした方がいいという。

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喫煙から考えてみたい。

米国では、タバコの箱に警告を明記することで、喫煙率を減らそうとしたが、成果が上がらなかった。それよりも、喫煙の行動をすることによって想定されること、具体的には、喫煙の場所(飛行機、レストラン、喫茶店、公衆の場所)を制限したことが、喫煙率を低下することに貢献したという。

つまり、どれほどタバコ箱に書かれた内容が過激でも、その人が行動した結果としてどのようなことが起こるのか?例えば、公衆の場所で喫煙ができない、ということまで踏み込まないと問題が解決しなかったことになる。

このように

「どのような成果が出ているのか?」

という観点から、行動を見ると、単に行動に注目するだけで良く、その人の行動の動機を見る必要がなく、成果に結びつく行動がよければ、評価し、行動していなければ、どのような行動をすれば成果をあげればいいのか?フィードバックすればいいので、フィードバックしやすいことになる。

大切なのは、

「成果に結びつかない行動を見かけたら、すぐにフィードバックする」

こと。

そして、成果に結びつくような行動をした場合には、ポジティブなフィードバックをすること(著者の言葉でいえば、Positive Reinforcement)。そのことで、「せねばならない」というマインドから「したい」というマインドに変わっていく。

では、

「なぜ、その真逆なフィードバック(「これをしてはダメ、なぜこんなことをするの?」といった形のもの、同書ではNegative Reinforcement)をしてしまうのか?」

その理由は、結果がすぐに出ると感じることや、上司はそれが行いやすいと考えているからだ。ただ、そういったフィードバックをしてしまうと、締め切りギリギリにならないと行動できないような人を育成することにつながり、生産性が上がらなくなる。

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私のロルフィングのセッションは、人の話を聞くということもあるが、姿勢は、その人の動き(行動といってもいい)によって作られる。どのような動きならば、姿勢が整うのか?

姿勢を整える際には、

「その個人が外界(空間)をどのように認識するのか?」

が大切となる(詳細は「身体と心(6)〜Tonic Function(3):Space」参照)。それは、育った環境、個人的に歩んできた体験(成功体験、トラウマ体験)、文化的な背景によって影響を受けるため、それとの関係性からフィードバックが必要となるが、いずれにせよ、その関係性からみて、どの動きならば、姿勢が整っていくのか?という観点からフィードバックは可能だ。

ぜひ、こういったフィードバックの仕方を個人セッションにより取り入れられればと思う。

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