2017年4月28日

【Y#61】瞑想会・CALM TALK -AIRに参加して〜瞑想について、どこまで脳医科学は解明してきたのか?について学ぶ

2017年4月28日(金)、麻布十番にて、「脳医学」に基づいたビジネス瞑想の専門家・本田ゆみ先生(以下本田先生)による瞑想会・CALM TALK -AIR(午前10時半〜午後12時、参加者7名、MY WAYの営業力開発トレーナー・講師の溝口陽介さん(以下溝口さん)の主催イベント)に参加してきた。

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知人の溝口さんのイベントいうことで今回参加したのだが、動機がもう一つあった。

約8年前、中国古典を集中的に読んでいた頃に、ビジネスと中国古典で多数の著作を残した伊藤肇氏の一連の作品に出会う。

そして、同著者による「人間学〜人生の原則・行動の原理」で人間学という言葉に興味を持つようになる。

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そこに人間学について以下のように書いている。

「学問は人間を変える。また、人間を変えるような学問でなければ、本当の学問ではない。そして、その人間とは他人のことではなく自分のことである。他人を変えようと思ったら、まず自分を変えることである」

同書は、人間というのはどういった存在なのか?ということを安岡正篤氏を師に迎え、中国古典を学び、中国古典をビジネスの事例と関連づけながら、わかりやすく迫っている。

一方で、私は元々、理系出身。

「最新の脳医学の知識と人間学が結びつくようなアプローチがあれば面白いのに」

と思っていたところ、

当時、

脳神経外科医・篠浦伸禎先生の「人に向かわず天に向かえ〜脳外科最前線の臨床でわかった「人間学」の効用

と巡り合い、感銘を受ける。

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篠浦先生によると、

人間学とは

「人間が平和に安心して生きてい行くために、自分の能力をどう生かしていけばよいかを示した学問」

という。人間学はなぜ役立ったのか?それを今まで脳外科医として培った経験から脳の知識と結び付けてこの本では解説している。

人間の脳は、解剖学から脳幹、小脳、大脳、の三つの部位からなる。脳幹は、呼吸や心臓の鼓動などの基礎的な機能を担い、小脳は手足、筋肉、体の知覚などを司る。大脳は、言語、感情、記憶などが関与、人間の80%を占める。

大脳は、大脳新皮質と大脳辺縁系の二つよりなり、大脳新皮質は感覚や知覚、そしてその内側にある大脳辺縁系は本能的な情動をつかさどる。

大脳辺縁系は本能(食欲、性欲)、情動(快感、恐れ)に関する機能が集まっているため、いわば自分を守るための機能、すなわち自己中心の脳、私脳(同書では「動物脳」と表現)といえる。

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一方で、大脳新皮質は、人間らしさを示す部位として知られ、これは感性(想像力、発想、音楽など)をつかさどる右脳と論理(読む、書く、論理、数字)をつかさどる左脳からなる。例えていうならば、右脳で他人の気持ちを察し、左脳で論理的な決断をする。ときには、危険を冒すことを承知の上で、弱い者を助けるというアクションもあるため、公に行動する、公脳(同書では「人間脳」と表現)でもある。

ということは、脳の構造からして、自分の保身で動く私脳と他人のことを考えて行動する公脳の二つが同居したいわば矛盾の存在ということがいえる。

そこで、昔の人たちは、

「公と私をバランスをどのように取ったらいいのか?」

そして、

「公脳でも、合理性を追求するのか、それとも思いやりを追求したらいいのか?」

といったテーマに考えるようになっていった。

渋沢栄一は、「右手に論語、左手にそろばん」といったのは情感と合理性のバランスの重要性を伝え、人間学という形で紹介する。

「志」は、ある目的に対していかに自分を律するか、そしてそのために努力しているかということがあげられる。このように昔から人間はあたかも人間の脳の構造をしっているかのように、重要と思われることを取り上げて来ていて本当に興味深い。

なんといって、面白いのは、私脳の満足を満たしたとしても、一瞬であること。

一方で、公脳の満足は長続きすることも脳の構造からわかっているので、公に徹する生き方は共感を呼ぶこと、そして人間の脳にとってもその生き方がいいということが分かっていることである。

最近、

公と私という2つの脳を

「どのようにしたらバランスよく保つのか?」

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それを指令する

「帯状回(たいじょうかい)」

という公と私の脳を連携させる役割を果たす重要な部分が知られるようになってきた。ここをどのようにして活性化させるのか?人間学が役立つというのが同書の内容とも言える。

今回、篠浦伸禎先生のご経験の元、瞑想の一つである「ブレイン・ストレッチ」のプログラムを共同開発されたのが、本田先生。

篠浦伸禎先生と関わりが深いことから、一度本田先生の瞑想会に伺いたいと思っていたところ、今回実現した。

事前に

「上記の脳のうち自分はどの部位を優位に働かせているのか?」

を「脳スタイルテスト」で診断。

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本田先生からもその診断結果からどのように使えばいいのか?スポーツ選手の事例から、実際に瞑想を実践する前と実践後の数値を見ることで効果を測定することができるということ等を紹介。1万例以上のデータに基づいているので説得力があった。

また、科学的な見地からも瞑想の説明があり、先ほどの「動物脳」と「人間脳」のバランスを司る際に、重要な役割を果たす「帯状回」を瞑想によって活性化させることができるという。

実際の瞑想は、普通教わるマインドフルネスのものよりもより単純化されたものだった。座ってもあぐらかいてもよく、その姿勢で20分間。呼吸に意識を向けるものが中心で、吐く息を徐々に長くしていき、その後短くしていくという内容だった。

ヨガの実践を通じて身体を整えることを日々行っているが、ヨガのみだと、ポーズができるか否か、他人との比較などの、エゴが出てきてしまう。そのため3年近く前から、瞑想を実践。脳の休息やエゴを鎮めるための効果があるという実感があったのだが、データで示されると、自信を持って他人に説明できそう。

後、人間というのは、生まれてから一生、自分との対話を通じて生きるということ、外部の刺激に応じて自分が反応することで対話が生まれるが、一日6万回以上、思い浮かぶという。それがわかるだけでも、 「帯状回」が活性化していくという。

瞑想の実践は、引き続き行っていきたいので、また本コラムでも紹介できればと思っている。

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