2017年12月27日

【B#82】コスモロジーの心理学(1)〜なぜ宇宙の歴史を知る必要があるのか?

2017年11月6日、サロンZEROにて、「宇宙の根源を知り、魂でつながる仲間を作ろう会」〜渡辺優先生を囲む会」を開催して以来(「「宇宙の根源を知り、魂でつながる仲間を作ろう会」〜渡辺優先生を囲む会を開催して」参照)、「大いなる叡智」「宇宙」「コスモロジー」をキーワードに量子力学、深層心理学、トランスパーソナル心理学等、様々な本を手に取るようになった。

本コラムでも何回か関連本を紹介した(「「宇宙にゆだねて人生を楽しむ」の関連本(3)〜「引き寄せの法則」と「ホ・オポノポノ」」、「宇宙の根っこにつながる生き方〜「大いなる叡智」と「物理学」+「心理学」との関連性」参照)

今回紹介したいのは、岡野守也さん(以下岡野さん)の「コスモロジーの心理学〜コスモス・セラピーの思想と実践」だ。

「本音で言って、人間・自分は死んだらどうなると思っていますか?」

「本音で言って、自分が一番大事ですか?」

「自分に自信がありますか?」

という読者への3つの質問から本書が始まる。

興味深いのは、「自分が一番大事だ」と思っていながら、「死んだら無になる」と思っている人が多いことだ。自信を持ちたいと思っていても、肝心な自分はやがて無になってしまうと考えてしまうため、どのように自信を持っていいのか?わからないと考えている人が多いということだ。

本書では、このような現状に対して、

「一番大事な自分が死ぬ自分である」

という事実を受け入れた上で、無条件で揺るぎのない自己信頼、自己肯定という意味での「自信」を持つためには、どうにようにしたらいいのか?

という視点で1つの解決策を提示している。

鍵となるのが、

人間は

「他の動物と異なって、本来・生まれつきの能力という意味での「本能」によって生きることができず、ほとんど全てのことを「言葉・言語」を媒介として後天的・人為的に作られた「文化」によって営む存在」

であるという前提に立ついうこと。

本書では、世界・宇宙にどういう秩序・条理・法則があるのか?それを体系的に語る「言葉・言語」を人類学用語の「コスモロジー」と名づけ、一人一人の人間がどのような「コスモロジー」、1つの大きな人生観・世界観の物語を持つかによって決まるという考え方を紹介しながら、死生観や自身について考えていく。

デカルトから始まった近代科学(「哲学(2)〜西洋哲学における「主観」「客観」の意味とその関係」参照)から「コスモロジー」を見てみると、

「無神論」+「唯物論」=「神はいない」「人間とモノだけがある(そして人間中心)」

という考えから

「モノに過ぎない自分の存在には絶対の意味がない」

というニヒリズム(虚無主義)に陥ってしまい、究極の自信喪失に至ってしまう。

そして、日本もかつては死んだ後の世界があり、先祖・先霊になると信じ、その結果として日本人の心の安定、安心、本当の自信に繋がっていった。しかし、敗戦後180度考えが変わっていき、ニヒリズムに至ってしまっているという。

岡野さんが提唱しているのは、

20世紀に登場する量子力学や相対性理論等の現代科学の成果を取り入れた「コスモロジー」。

その結果、

「ニヒリズムに陥ることなく、自信が持てるようになる」

という岡野さんの考えをみていきたい行きたい。

考えてみれば、

人間というものは、自分で作り出したものではなく、両親から生まれたものであり、命の誕生に置いて自分で思いのまま自由になることができない。

そして、

人間は、空気や水や食べ物(植物、動物)なしでは生きることができず、それすら選択する自由が与えられていない。

結果として、地球、太陽などを含め環境=宇宙が必要となり、

「私は生かされている」

という考え方を持つこと。

宇宙が始まらなければ、太陽系もできず、地球もできず、生命も人類も生まれることがなかったことから、

「宇宙の始まり」=「私という存在の始まり」

という視点で、宇宙の歴史を見るということが大事となる。

実は、最新の宇宙物理学では、137億年前のビッグバンから始まった宇宙がどのようにして物質の元が作られ、生命、人間を創生するに至ったのか?

20世紀に入り、物理学は宇宙史を明らかにしている。

岡野さんは、

物理学者の佐治晴夫さんの言葉を引用しながら、

「人間の命には、宇宙の137億年の歴史が込められている」

という事実を紹介していく(佐治晴夫さんの本については「「からだは星からできている」(1)〜死生観と宇宙」参照)

「・・・考えてみると、私たちの周りにある全てのものたちは、1つ残らず星のかけらから作られたものであり、熱い星のからだの中をくくり抜けてきたものばかりなのですね。私たちだって例外ではありません。元はと言えば、みんな小さな光の粒の中にいました。やがて渦巻く水素のきりとして漂い、銀河となって、星となり、星が一生かけて作ってくれた元素たちから生命が生まれました。だからみんなみんな「星のかけら」なのです

宇宙は物質から生命を作り、生命の中から心をもった存在を創発していることから、

「宇宙と私は一体である」

「他の人とも、他の生命とも繋がって1つだ」

という自覚に至る可能性を秘めているという。

これが、

「なぜ自信につながっているのか?」

コスモロジーの心理学(2)〜究極の自信とは何か?」に書いたので、是非ご参照ください。