2018年3月22日

【P#26】科学的に正しいということは?〜事実か?個人的な意見か?

何年か振りに食事や睡眠に関する本を手に取っていることは「テーマを決めて本を読むこと〜そのきっかけとなったこと」に書いた。

せっかくなので、食事と睡眠に関して、

「何が効果があって、何が効果がないのか?」

「一般向けにはどのようなことが書かれているのか?」

「そして、それは科学的な事実としてどのように示されているのか?」

という視点から様々な書物を手に取りたいと考えている。

そのためには

「科学的に示されているというのは何か?」

を知ることも大事。

そこで、私は

「科学的にわかっていること」

を3つに分けて考えるようにしている。

1)今までわかっていること=基本知識(例えば、分子生物学、生化学、生理学、解剖学等)

2)その知識はヒトで証明されているのか?(例えば、疫学、臨床介入試験、薬の開発試験を含め人から得られたデータ、今でいうビッグデータ)

3)民間企業が発信する情報の影響を受けているのか?(例えば、食品会社や製薬会社が言っているのか?それとも客観的な事実として伝えられているのか?)

1)は、過去の研究者によって集められた知識で、今どれだけ知られているかである。大切なのは、その知識が何を根拠に得られてのか?何を使って明らかになったのか?を知るということ。例えば、動物(マウス、ラット、ショウジョウバエ、線虫等)を使ったのか?それとも微生物(大腸菌、酵母等)か?どのデータを使って明らかになったのか?それともヒトを使っているのか?を見ることで、それは事実なのか?一個人の意見なのか?がわかる。

科学の場合には、ある条件下(例、マウスで実験した場合には、マウスで飼育した条件下)で事実が証明されたということが多い。例えば、マウスやヒト由来のの培養細胞を使って、私は研究を進めていたが、それは、ある条件下で成り立つものであり、他の条件が混じってくると、その知識が当てはまるとは限らないのだ。だから、どのような生物(動物、微生物)を使って明らかにしてきたのか?知る必要がある。

2)は、得られた知識がヒトに当てはまるのか?ある条件下で当てはまる場合には、「仮説」=仮に成り立つと仮定するといい、知識を検証するために人間に試し、データを集めることで解析を進めていく。ある一定の数の人間のデータ(一つの集団として扱う)を集め、因果関係があるのか?を調べていくため(例えば、喫煙と肺がんとの関係等)、集団を扱う数学(すなわち統計学)の知識が求められる。

私は製薬企業で、マーケティングと開発チームと仕事をする機会があった。ヒトで試験を行った結果が、どの治療法に比べて効果があるのか?そして、どれだけの確率でそれが正しいのか=統計的有意かどうか?をみることが医療従事者と仕事をしていく上で、重視されていた。

3)は、食品業界や製薬業界に情報が影響を受けているか?知る必要がある。各々の業界は日々どのようにして売上を伸ばすのか?を考えながら、商品を売るための戦略を考えている。そのために製品の特性を伝えるために物語を作って新聞、テレビ、インターネット等の広告を利用する。

なので、一つの会社・業界の意見か?それとも客観的な事実に基づいているかどうか。が重要になる。

大切なのは、

「事実なのか?」

「個人的な意見なのか?」

を区別することだ。

本コラムでは、この点を明記しながら、どのような事実に基づいて導き出されているのか?紹介できればと思っている。