2019年5月13日

【Y#70】からだの学校(2)〜心・肝について:感情、生理、睡眠及び西洋医学との関係性

2019年5月12日(日)、「からだの学校【東洋医学】@Kei.K Aroma Studio(神奈川)」の講座(講座は全6日間)の2回目を受講しにKei.K Aroma Studioに伺った。

講師は札幌在住の風の音の治療院・安部雅道先生(鍼灸師、以下安部さん)。

東洋医学の基本的な考え方に触れる:陰陽説、五行説、自分で基準を作る」に書いたが、

「東洋医学は氣(エネルギー)という目に見えないものを扱う。氣だと実感湧きにくいので、イメージしやすいものを東洋の人たちは考えた。それが陰陽説と五行説

と、

本来「イメージしやすいもの」

と安部さんは考えている。

安部さん曰くこんなに便利で使い勝手がいいものなのに・・・

是非ともそれを伝えたい!

ということで、今回は2回目。

五行説の各論へと入っていった。

五行は、木、火、土、金、水の5つの性質を学ぶのだが、

各要素には担当する臓と腑がある。

イメージとしては、

臓は「詰まっている」

腑は「空洞・通り道・パイプ」

面白いのは、

「五臓をどのようにして整えるのか?」

に焦点を合わせると

「勝手に五腑が整っていく」(=「通り道・流れ道を整える為」)

という考えだ。

ある意味、

「自ずと身体はバランスを整えていく」

であり、

「バランスを整う方向へ施術する」

といったIMAC・ロルフィング・ソースポイントに繋がる考えでもあるので、私の大切にしている考えと近い。

さて、今回取り上げた要素は、木と火。

まずは火。

担当の五臓は心臓、五腑は小腸。

東洋では、心臓を、人の心と体の働きの全てを管理。トップに君臨し、他の臓腑に指令を出している存在として捉える。

トラブルは各部署(肝臓、脾臓、肺臓、腎臓)が担当しているので、心臓に問題があるということは、相当問題がある・・・。と解釈してもいいと。

このように、五行は各要素別に捉えるのではなく、つながりとして理解することが大事なことが、火の要素を考えていく上で重要と安部さんは強調していた。

一方で、感情については、心臓ではなく、実際、管理しているのは腎臓。

腎臓の働きが落ちると、感情の抑制が効かなくなるという話が出てきた。

一見この考えは戸惑いもあるが、

西洋医学では、ストレスを脳が感じると、副腎(東洋医学では副腎を腎臓として扱う)に働きかけてアドレナリンやコルチゾールが出ることで、ストレスに対応する。副腎が働きにくくなるということは、ストレスに対処できないことを意味し、すなわち、感情の抑制が効かなくなる。と考えても良さそう。

すごいなぁ、と思うのは、こういったことを東洋医学の人たちは西洋医学が出てくるはるか前からそれを知っていたことだ。

パートナーを組む、小腸との関係はどうか?

心臓と小腸は動きつつける内臓器という共通点がある(心臓は拍動、小腸は蠕動運動)ことはペアになっている理由をイメージしやすいように説明。イメージの重要性についてなんども語っていた。

次は木。

担当の五臓は肝臓、五腑は胆のう。

肝臓は、疏泄(そせつ)を主る=疏=通す、巡らす、泄=外に出す。排泄する。働きとして捉える。

肝臓は筋肉を管理すると言われ、東洋では脳と筋肉の間のコミュニケーション、神経、特に自律神経に関わっているとも。肝臓に負担をかけると、身体が硬くなる。

そして肝臓は月経に大きく関係する。

氣の廻りが悪いと、生理がくるのが遅くなる

血の巡りが悪いと、生理前の痛みが起き、血の汚れがたまる方向へといく

また、消化吸収、血液を貯蔵し、血液の調整にも関わる。

特に、血液をキレイにする役割を担っており、

肝臓・胆のうがもっとも働くと言われている午後11時〜午前3時までは、効率よく血をキレイにする時間とも言われている。

だからこそ、木を整えるには、まずは早く寝ること。

目覚めをよくすることがポイントになる。

西洋医学では、小腸で消化・吸収された食物が門脈を経由して、肝臓へ送り出される。肝臓で身体が利用できるように栄養素を加工して、心臓を経由して、血液を介して各臓器に送り出されていく。余った栄養素を保管し、有害物質の解毒や、油を吸収しやすいように胆汁酸を作り出す。

すなわち、小腸で消化・吸収されたものは、心臓に送られるのではなく、真っ先に肝臓に送られることや、肝臓で血液がキレイになり、心臓に送られることだ。

このように考えると、血液を作る、キレイにするという考えは西洋から見ても理にかなった考え方のように思う。

肝臓は、「怒り」の感情に関わるが、ダニエル・キーオンの「閃く経絡:現代医学のミステリーに鍼灸の「サイエンス」が挑む」では、西洋医学では、ヒスタミンがホルモンとして関わっているのではないかと推測している。ヒスタミンは、身体の局所で働くが、時にはあふれ出すこともあり、それによってアレルギー、喘息、アナフィラキシー反応、かゆみを引き起こす。これによってヒスタミンはイライラ感や欲求不満に繋がっていきやすい。その結果として「怒り」の感情が湧いてくる。

肝臓が血液からこれらを除去する(解毒)能力によって変化すると考えると、肝臓は「怒り」の感情に関わっているのではないかと、キーオンは推測している。

今回は、東洋医学と西洋医学との比較から書いてきたが、東洋医学を理解するというのは、西洋医学の否定ではなく、より広い視野で捉える手段を与えてくれるような、ことを感じさせてくれる。

安部さんのセミナーは毎回質問が多く、脱線もあるが、なんとか時間内に収めるところが本当に素晴らしい。次回は来月に開催する予定だが、是非とも楽しみにしていたい。