2019年5月14日

【P#34】からだの学校(3)〜マクロビオティック生活〜自分に優しい食事の基本

2019年5月12日(日)、からだの学校の2回目を受講後(2回目の模様については「心・肝について:感情、生理、睡眠及び西洋医学との関係性」参照)に、「マクロビオティック生活〜自分に優しい食事の基本」を受けた。

講師は札幌在住の風の音の治療院・の安部雅道先生(以下安部さん)

巷に様々な食事法がある。

糖質制限(アトキンズダイエット)、ビーガン、ベジタリアン、フルーツダイエット、オーニッシュ等。

西洋医学では、客観的な事実に基づいて、この食事法が「正しい」「間違い」を判断していく。

西洋医学で食事(薬も同じ)を扱う際には、

1)動物実験・試験管で行う実験(基礎研究)

2)人で行う観察・介入試験(疫学研究・臨床研究・治験)

がある(詳細については、佐々木敏著の「栄養データはこう読む!」をご参照ください)。

前者は、「なぜ」この食事が大切なのか?

後者は、「どれくらい」食事をとったらいいのか?

興味深いのは、前者は「どれくらい」、後者は「なぜ」を解くことができない。

例えば、高血圧に塩がよくないことを見る際に、動物実験で、その理由を知り、人で塩分の量を図って行く。

人で行う介入試験の場合には、一定多数の集団(人数)を扱うので、統計学を使って処理。万人に当てはまる原理・原則を探していく。

その際の判断基準は統計的有意。その事実が、100人のうち95人に当てはまることが出来れば、「正しい」と判断する。

要は

西洋医学は

個々に合うような食事法を見つけるよりも、万人にあう食事法の事実を見つけて行く

答えがエビデンス(外)にあると考える

と考える。

では、東洋医学ではどのようにして、食事を扱ったらいいのか?

今回、安部さんの「マクロビオティック生活」の講座を通じてその一端を知ることができた。

まず、食事をなぜとるのか?の意味についてから始まった。

安部さんによると、食事の意義は

1)氣を補給するため

2)緩むため

の二つにあるという。

氣を補給するとは、エネルギー補給。元気を回復させるため行うもの。西洋医学で言うところの、カロリー補給って考えるといいかもしれない。

面白いのは、

「緩めるため」

が入っているところだ。

これは東洋医学独特の考え方で、食べ物をとると「身体が緩む」と考える。

判断基準として、「身体の声を聞くこと」だと安部さんは言う。

この考えも東洋独特だと思った。

大切なのは、

1)食欲(何を食べたいのか?)

2)味覚(何が美味しいのか?)

3)目覚め(目覚めが良いかどうか?)

だ。

「食べたいもの」「美味しいもの」から今の自分の心の状態と身体の状態を知る。

例えば、最初は美味しかったが、途中から美味しくなくなった場合には、量を取り過ぎていると判断する。

そして、身体に合っているかどうか、便通や目覚めの状態から判断して行く。

例えば、マジメにやりすぎると、緊張したままなので目覚めの状態もよくない。そしてチョコを食べて美味しいと思っても、翌日の目覚めが悪いと身体にあうのかどうか、見て行く必要がある。

このように身体の状態から判断し、

どの食事がいいのか?自分の中に答えがある

と考えるのが東洋医学であり、

答えがエビデンス(外)にあると考える

と考える西洋医学との違いがあることがわかる。

西洋で発祥したロルフィングも実は、東洋的な考え方を持っており、10回のセッションを通じて身体感覚を研ぎ澄ませる。これができるとこと自ずと肩こり、腰痛がよくなるだけではなく、物事が判断できるようになる(「「楽な姿勢」を一緒になって見つける:一人一人答えが違う」参照)。

もちろん、マクロビオティックにはルールもある。

そもそも

「マクロビオティックとは、自分の中庸でいるために、陰陽のバランスを調える生活方法」

食事は、

「緩むため」

にとると前に書いたが、

その「緩む度合い」の強さという比較基準に応じて、陰陽を分類する。

ポイントは比較基準を設けること。

食事をとると身体は緩むが、マクロビオティックの考えでは、陽性のものは緊張(緩む力が弱い)、陰性のものは弛緩(緩む力が強い)と捉える。ポイントは、緩む基準で捉え、陰性は冷やす、陽性は温めると考えないことだ。

そして、あまりにもマジメにこれはだめ、これはいい、と判断して行くと、結局は身体が緩まなくなり、緊張したまま。意味をなさないことを安部さんは言ってた。

肝心なのは、

「元気な状態」って何か?

「今の自分」を見る

ことで、陰陽の傾きがわかる。そもそも持って生まれた自分の状態があり、それが中庸となる。

例えば、私の場合には、陽性が若干強く、少し陽性に傾いている。

「元気な状態」を基準に、自分の状態を知り、食物をとって、これはおかしい、と思ったら辞めてみる。原因をみる際に、マクロビオティックの陰陽をみると、

「なるほど、この食事は陽性を傾けさせるものだからだったのだ」

と実践が先で、理論があとでマクロビオティックの考え方を使う。

最後に、安部さんは優しくマクロビオティックの生活を過ごすために

1)自分の陰陽を意識して過ごす(体の声を聞いて、体に合わせる)

2)身体の変化をゆっくり待つ

3)頑張らない(我慢すると緊張する)

4)日々記録する(目覚めがいいか、便通がいいか、どのような症状が出ているのか)

今回は、休日の6時間に渡って安部さんのお話を伺うことができたが、自分が食事を指導する際に、伝えられる内容も盛りだくさんだった。改めて、このような内容をまとめていただいた安部さんに感謝を申し上げたい。