2019年6月29日

【P#47】分子栄養学(4)〜「栄養分析プログラム」の結果+体質を理解すること:胆汁のうっ滞、SIBO、肝機能;糖質制限の向き・不向き

「栄養分析プログラム」の血液検査+有機酸検査について」に書いたように、

1)分子栄養学に基づく「栄養分析プログラム」(25OHビタミンD検査を含む)(5月13日に血液検査を実施)

2)有機酸検査(6月10日に検体を送付)

の保険適用外検査を、2019年5月〜6月にかけて行った。

「栄養解析レポート」の報告書を入手したのが、6月18日(火)。

結果については、分子栄養学に詳しい方に依頼することにした。

実は、2017年6月頃から月1回のペースで自律神経を整える「高温熱熱刺激療法(以下温熱療法)」でLe Salon De Figueの中村恵理子さん(以下恵理子さん)にお世話になっている。恵理子さんとは以前、ロルフィング・セッションのお客さんとしてサロン・ZEROにもお越しいただいたご縁で、懇意にさせていただいている。

実は、Le Salon De Figueでは、温熱療法以外に、根本的な体質改善を目指す栄養指導を軸に、必要に応じて、植物療法、メディカルサプリ等、様々なアプローチを取り入れている。特に、分子栄養学も詳しく、学ぶことが多い。

そこで、2019年6月26日(水)、恵理子さんから札幌市在住のあんどう口腔クリニックの歯科医師の安藤麻希子先生をご紹介いただき、恵理子さんが同席しつつ、札幌と東京をZOOMで結び、1時間ほどテレカンを実施。その後、恵理子さんによる分子栄養学の見地からみた個別の栄養指導を受けた。

以下、2人の方に伺った内容から。一番気になったのが以下の3つだったので順番に取り上げていきたい。

1)胆汁のうっ滞(胆汁の流れが減少又は停止した状態)

2)SIBO(小腸内細菌増殖症、Small Intestine Bacterial Overgrowth)

3)脂肪肝を含めた肝機能低下

そのため、5から10年にわたって、栄養の吸収阻害による貧血や甲状腺機能低下が続いている可能性があると言われた。

1)胆汁のうっ滞について

胆汁は肝臓でつくられ、胆道系を通って十二指腸に出され、小腸で働く。この経路のどこかで胆汁の流れが阻害されている状態を胆汁うっ滞と呼ぶ。直接ビリルビンが基準値よりも高いことや、他の血液検査の値の結果から、胆汁うっ滞が疑われた。

胆汁の役割は、消化管でミセルを形成させ、食物の脂肪を吸収させやすくするもの。肝臓内の酵素によって、コレステロールを酸化することによって作り出される。その後修飾を受けて、最終的に胆のうへ。胆のうにて胆汁が濃縮。小腸へ分泌されることで、食物の脂肪の乳化(カイロミクロンという形に結実)、小腸からの吸収を促す。

要は、胆汁の分泌が不足しているので、食事から油をとったとしても、吸収されていない可能性がある

その上、胆汁の材料となる総コレステロールの値が低く、更に血管中にある余計なコレステロールを回収する役割を担うHDLコレステロール値が低いこともわかった。

総コレステロールの値が高い場合には、心筋梗塞や狭心症の発症リスクが高まるので、低いと一見いいようにみえるが、胆汁酸やストレスホルモン、性ホルモンを作る材料である為、低値だと問題となる。

そして、関連するのがSIBOだ。

2)SIBOの疑い

 

恵理子さんとのセッション中に、江田証先生(以下江田先生)の「小腸を強くすれば病気にならない:今、日本人に忍び寄る「SIBO」から身を守れ!」の本をご紹介いただいた。

最近欧米で話題になっているSIBOについて江田先生の本がわかりやすいので、この本に基づいてまとめたい。

SIBO(小腸内細菌増殖症)は、小腸内の腸内細菌が増える症状の一つ。

井の中の細菌数は1 mLあたり1,000個、小腸内は10,000個、空調で1,000 – 10,000個、回腸で10,000,000 – 1,000,000,000個ぐらい。大腸では1,000,000,000 – 10,000,000,000個に及ぶという。

SIBOの場合は、1万個程度だった細菌数がその10倍に増加。腸内細菌の多様性が失われており、偏った種類の菌が増える。例えば、カビ(真菌)、カンジダ、酵母、等。

そのため、50%のSIBOの患者で、腸の粘膜の通りが良くなりすぎるため、小腸から不必要なものまで吸収される。その上、細菌が住み着くので、栄養素の横取り(鉄、カルシウム、ビタミン、亜鉛、マグネシウム等)まで行う場合もある。

厄介なのは、腸内細菌の種類によりガス(水素ガスやメタンガス)を発生させるので(実際、このガスの発生量でSIBOかどうかを診断)、小腸が膨らんだり、縮んだりする。大腸は菌が密集しているのでガスが溜まったとしても大丈夫なのだが、小腸は膨らむような臓器ではない。このようなことが起きると、粘膜もダメージを受ける。

最終的に「リーキーガット症候群(腸漏れ)」に発展していくとのことだ(リーキーガット症候群については、トンプソン真理子さんの「リーキーガット症候群:あなたのその不調の原因は「腸の漏れ」にあった!」参照)。

興味深いのは、小腸のトラブルによって、肌荒れ(湿疹、ニキビ)、栄養失調(鉄不足、ビタミンB12不足)、痩せ、神経系および精神面での不調(うつ症状)等と関係があることだ。

腸と精神面との関係は不思議に思うかもしれないが、幸福ホルモンといわれるセロトニンの大部分は腸から作られることや、腸は脳と迷走神経を通じて繋がっており、お互いにコミュニケーションをとっている。そして、最新の科学ではこの2つは関連があり、腸内細菌の状態によって精神状態が影響を受けることもわかってきている。

そして、SIBOは、胆のうとの関係もある。

SIBOになっている方は、胆のうを取ったことがある人に多い。胆汁は、胆のう内で十分に濃縮されることで初めて抗菌作用を持つので、細菌を殺菌する能力が格段に落ちてしまうからだ。

私は、胆汁のうっ滞の疑いがあるので、SIBOになっている可能性が高い。

血液検査の結果から、亜鉛や鉄分不足も指摘された。

赤血球の検査項目の一つ、平均赤血球面積(MCV)の値と血清鉄の値が高め、不飽和鉄結合能(UIBC)が低い。このため、赤血球の寿命が通常よりも短く、溶血している可能性がある。亜鉛や鉄の吸収がSIBOによって落ちていることが考えられる。

消化管は一つの管なので、小腸の影響は他の消化管へ影響を及ぼす。腸の細菌により、胃へ逆流、悪影響を及ぼしている可能性もあり、消化酵素のサプリを追加で取ることが必要なことも勧められた。

3)脂肪肝を含めた肝機能低下の疑い

肝機能について。

γGTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ、肝臓の解毒作用に関わる)の値が高く、肝臓特異的に発現する酵素、コリンエステラーゼの活性が高い。類推するに、脂肪肝の疑いがあるという。

そして、高血糖が続くとアルブミンに糖が結合するグルコアルブミンの値が上がってくるが、その値がやや高め。

肝臓から作られる蛋白質の量や、空腹時に肝臓で、グリコーゲンからブドウ糖が作られる(糖新生)が、肝機能が弱まっていると、夜間に食事を取らないことにより糖が作られにくくなり、夜間低血糖を示している。現に、低血糖のサインの一つであるカリウムの量が若干下がっていることから低血糖になっていることがありうるとのことだ。

今流行りの、糖質制限を何度か試みたが、頭がクラクラして気を失いそうになったことがあった。肝臓によるグリコーゲンから糖を作り出す働き(糖新生)が弱いことから、低血糖になっていたことが考えられる。その上、炭水化物の比率が下がると相対的に上がるのが脂肪。脂肪の取る割合も高くなるが、胆汁のうっ滞によって小腸からの脂肪が吸収されにくくなっている。そのため、脂肪からケトン体も作りにくい状態になっているのではないかと考えられる。

さらに、長年スポーツを定期的に行っていても体脂肪率が22%、内臓脂肪が高いままでなかなか下がらない。ひょっとしたら肝臓の機能や、脂質代謝の異常によって説明できるかもって考えられる。

サプリとして蛋白質をとったことがあるが、飲んだ後、胃がもたれる、ガスが出るなどの現象が起きる。これはSIBOや胃の機能低下、そして肝臓の機能が弱まっていることで起きていることのサインなのかも。

如何に体質を知った上で、自分がどのような食事をとったらいいのか?考えることが大事だということが理解できる。

脂肪肝や胆のうの状態は、肝臓専門医によりエコー検査で調べることができるので、近いうちに検査を受けにいくことにして、今後、どのような対策をとっていくのか?サプリや食事をどうするのか?を含めたアドバイスもいただいているので、次回、本コラムで取り上げたいと思う。