2020年2月20日

【N#44】「電磁気とは何か?」(2回目)〜科学は社会に与えた影響は何か?どのような人たちが「目に見えない電気・磁気」を言葉していったのか?

2020年2月15日(土)、午後2時から午後6時までの4時間。参加者とともに、身体の学校・ZERO塾の0期の2回目の講座が始まった。

1回目は「元素とは何か?」で、

単なる、知識を暗記だけではなく、

1)自分で考える力(自分軸)を身につける<発想力>

2)情報の集め方を学ぶ<情報収集力>

3)知識を応用・実践のためのの<応用力>

の3つに分けて「考える力」を養うことを目標として、化学の知識を教えつつ、どのようにして

「自分で判断する能力」=「自分軸」

を整えていくのか?力点を置いているところに特徴がある。

「元素とは何か?」の内容については「「自分で考える力」とは何か?言葉を知ること、生活と関連づけること、科学の限界を知ること」に書いたので、詳しく知りたい方は是非ともご参照ください。

今回は、「電気(電磁気)とは何か?」を取り上げた。

電話、携帯電話、電磁波、電池、電気エネルギーを理解する上で、更に、神経活動に関わる細胞、心臓細胞、糖、脂肪を栄養として取り込む際に、働く電子伝達系を理解する上で、「電気」の歴史を知ることが不可欠。

一方で、科学の世界では、物理と化学の授業を線引きするので、中途半端な形でそれぞれを勉強することになる。

歴史的に「電気」という「目に見えないもの」をどのように理解、言語化を進めていったのか?今回は、静電気や電気の流れから電子の発見まで取り上げた。

そして、できるだけ生活に関わっていることを知っていただくため、産業とも密接につながっていることも紹介した。

例えば、

1)通信に革命が起こる。例えば、モールス電信、海底ケーブルの設置、電話、無線通信、衛星中継、携帯電話へとつながる。

2)エネルギーに革命が起こる。例えば、エジソンによる電球の発明、直流電流の開発、テスラやウェスティングハウスによる交流電流の開発等。

3)国家戦略に大きな影響を与える。例えば、国家が通信システムを管理、暗号の開発や情報収集等

そして、必ずしも天才が活躍したのではなく、アマチュアな技術者の貢献も大きかったことも取り上げた。

「大野哲弥著の「通信の世紀:情報技術と国家戦略の150年」」に面白いエピソードが紹介されている。

日本が明治維新を迎えた時に、岩倉使節団が形成される。

同使節団は、1872年にサンフランシスコに到着。その際、英文の電報が長崎に送られた。この電報はサンフランシスコからアメリカ大陸を横断。大西洋ケーブルで英国、欧州大陸、アジアを経由して、3万キロ以上を回って、最終的に長崎に到着した。

同使節団は、開始まもない国際電報を使ったのだが、なんと1日で届いたという。

これがなぜすごいかというと、当時の日本では、東京・横浜間、大阪・神戸間しか電報がなく、長崎の国際電報を東京にお届けるのに「飛脚」を利用していた。それが、10日間かかることになる。

このように、電気は電力を供給できるだけではなく、それだけで社会に大きなインパクトを与えるものだと言える。

今回は、分子栄養学や分子生物学を知るために、「電気」をどのように知ればいいのか?に視点を絞って説明するようにしたが、高校・大学の受験生とは違って、対象は社会人。このようなエピソードを伝えることで、社会との関わりで科学が発展していることが理解できればと考えている。

面白いのは、イギリスでは、正規の科学の教育を受けていない人の科学への貢献もあった。

例えば、製本職人だったマイケル・ファラデーは、数学が大の苦手。20歳になってから、科学者に頼み込んで弟子入りする。そこから頭角を現し、イメージで電気や磁気を捉えることで、電気力線や磁気力線を取り入れ、数学を使わずに、新しい考え方「場」「界」を登場させる。

そして、それをサポートするイギリスの大地主(ジェントリー階級)たち。ファラデーが所属していた王立協会の研究所は、国王が資金を出すのではなく、寄付によって賄われていた。産業革命の際に、イギリスではインフラ整備が進むが、その資金をジェントリー階級が強力にサポート。研究所に対しても、資金面で援助を惜しまなかった。

実用化の部分でも職人の活躍がめざましい。電球の発明で有名だったエジソンは正規の教育を受けることがなかったし、大西洋横断無線電信を成功させたマルコーニもアマチュア無線に興味を持つ人にすぎなかった。

0期の内容は、これからも色々と改善していこうと思っているが、社会との関係や、どのように自分の判断軸として科学を考えた方がいいのか?

実は、科学というのは不完全なものであり、そこから産業が発展していったことを少しでも伝えていければと考えている。

次回は、エネルギーと、自分の判断軸をどう整えていくのか?をもう少し深めていく予定だ。

引き続き参加者とともに、講座を作っていければと思う。