2020年3月19日

【N#45】「エネルギーとは何か?」(3回目)〜蒸気機関の産業から生まれた「エネルギー」の考え方:背景を知ること

2020年3月14日(土)、午後2時から午後6時までの4時間。参加者とともに、「身体の学校・ZERO塾」の0期の3回目の講座が始まった。

今回の「身体の学校・ZERO塾」は身体の仕組みを知り、どう日々に役立つのか?

最新の栄養学の知識を深めていくために必要な科学の知識を「発想力」で伝えている。

1回目では「元素とは何か?」を取り上げることで、

「元素」「原子」「分子」の違いについてシェアさせていただいた。

中・高校で学ぶ化学は、「元素」「原子」「分子」は、暗記に偏重しているため、

歴史的に、

「なぜ、元素、原子、分子の考え方が生まれたのか?そしてその違いは何か?」

を知ると、理解が深まる。と同時に、

「分子生物学や分子栄養学に、なぜ「分子」がついているのか?」

わかっていただけるとかと思う。

「原子」の考えが生まれたのが、ギリシャ時代。

そこから、ギリシャ・ローマ時代、キリスト教の時代、ペルシア帝国、イスラム諸国へ。

最終的に、ヨーロッパへの逆輸入され、抽象的に捉えていた「原子」が、一つ一つ重さを測っていくことで、現代の「原子」の考えに至った。

そして「分子」。

水素、酸素や窒素は、2つの元素(原子)から成り立つと考えられているが、実験から導き出され、「化合物」や「分子」の考えが登場する。

「元素とは何か?」の内容については「「自分で考える力」とは何か?言葉を知ること、生活と関連づけること、科学の限界を知ること」に書いたので、詳しく知りたい方は是非ともご参照ください。

2回目は「電磁気とは何か?」で、如何にして「電子」が発見されたのか?について話した。

1回目と同様、電気、磁気の歴史を語りつつ、これらの知識がどのようにして、日々の生活に役立っているのか?

例えば、

1)通信革命:モールス電信、海底ケーブルの設置、電話、無線通信、衛星中継、携帯電話へとつながる。

2)エネルギー革命:エジソンによる電球の発明、直流電流の開発、テスラやウェスティングハウスによる交流電流の開発等。

3)国家戦略への影響:国家が通信システムを管理、暗号の開発や情報収集等

などを紹介。

しかも、天才的な科学者が活躍したのではなく、主に一攫千金を狙うアマチュアな技術者の貢献も大きかったことも取り上げた。

そして、産業化が進んだ後の20世紀の初頭、電流・電池・電力の実態が「電子」であることがわかった。

酸化ストレス、酸化すると錆びる、抗酸化のサプリメント(ビタミンC、ビタミンE等)、酸化ラジカル等の言葉が知られているが、これらの理解には「電子」の考えが不可欠。

「電子」の発見の背景が電気・磁気の現象を明らかにしたという科学者の気持ちから生まれたことを考え、2回目では電気・磁気との文脈の中で、歴史と共に紹介した。

詳しくは「「電磁気とは何か?」(2回目)〜科学は社会に与えた影響は何か?どのような人たちが「目に見えない電気・磁気」を言葉していったのか?」をご参照いただきたい。

3回目は、「エネルギー・熱とは何か?」だ。

「元素」「原子」「分子」や「電子」がわかっても、これらが「使いやすい形」でならないと、世の中に役立たない。

そこで「エネルギー」や「仕事」の考え方が生まれる。

歴史的には、イギリスの産業革命と蒸気機関の開発・改良が「エネルギー」の考えを生み出したと言われている。

1666年にロンドン大火が起こり、市内の木造の家屋のほとんどが倒壊した。

そこで、イギリスは、レンガ作り、石作りの家の建造を法律で定め、街並みを一掃。

森林の資源が枯渇したのもあり、ここで初めて「石炭」が近代史に登場する。

暖炉をとる、コークスを使った製鉄、ガラス産業などに「石炭」が使われるようになり国内での需要が一気に増える。

そこで、石炭を採掘するための炭鉱の開発が始まるが、問題だったのは、地下水の問題。

地下水があったため、採掘が進まず、汲み出す必要があったのだ。

そこで、蒸気機関を使った汲み出しが盛んに行われ、ニューコメンの蒸気機関から、ジェームズ・ワットといった技術者が改良を加え、効率の良い「汲み出し」装置が生まれていく。

水に熱を加え、水蒸気にすると体積は千倍に、冷やすと一気に圧縮、真空ができる。ここからピストンを動かす装置が蒸気機関。

電車や船にも応用され、社会に多くの雇用、そして株式会社の考えが普及するきっかけとなる(この点についてセミナーでは紹介した)。

熱から「ピストンの動き」=「動力」をどのようにして引き出すのか?

「動力」は「熱」だけではなく、「電気」「磁気」「水力」「火力」「原子力」等からも引き出すことがわかり、やがて、「エネルギー」という言葉で統一される。

また、人間の身体も体温・筋肉を動かすために「食物」から「エネルギー」を取り入れるという考え方が、同時に生まれていく。

1900年には食事に表記されているカロリー表示へと繋がる。

3回目では、自分軸で判断していくために、仮説を立てる大切さや、情報収集のし過ぎに注意したほうがいいこと等、紹介させていただいた。

次回4回目は、いよいよ栄養素の基本的な考え方に入る予定だ。

2020年3月の下旬に「身体の学校・ZERO塾」の新たな参加者を募集する予定だ。

もしご興味がありましたら、ブログにて告知させていただきますので、よろしくお願いいたします。