2020年4月28日

【N#47】「消化・吸収について」(5回目)〜食事からどのように栄養(エネルギー)にするのか?判断していくための知識として

「身体の学校・ZERO塾」の5回目。

「エネルギー・熱とは何か?」(2020年4月25日(土)、午後2時から午後6時、0期生)の模様について紹介したい。

5回目のテーマは「消化と吸収について」

日本政府による非常事態宣言下のため(2020年4月28日現在)、ZOOMでセミナーを開催した。

「身体の学校・ZERO塾」は、

最新の栄養学の知識を深めていくために必要な科学の知識を「発想力」で伝えている。

今回、

「食物からどのようにしてエネルギーを得ているのか?」

を取り上げた。

具体的には

口から入った食物を人間の臓器はどのように消化・吸収するのか?

消化・吸収された食物を、細胞はどのように栄養にするのか?

の2つをテーマとして話した。

まずは、細胞から。

ブドウ糖は、火につけると燃やすことができる。

二酸化炭素と水に変わり、何と、686キロカロリーの熱が発生する。

1カロリーは1グラムの水を1℃上げるのに必要なエネルギー。

このことを考えると、ブドウ糖から、68.6万倍の大きなエネルギーが生まれるが、直接燃やすと、細胞はあまりにも大きなエネルギーに圧倒され、死んでしまう。

そこで、細胞はブドウ糖から段階的にエネルギーを取り出すことで、有効活用する。

大事なのは、熱として逃すのではなく、エネルギーという形で残すこと。

酵素の助けを借りて、食物からエネルギーを取り出し(人間が使いやすい形に食物を分解すること、異化と呼ばれる)、エネルギー(使いやすい形)にする。

得たエネルギーを使って、細胞の材料となる物質の生合成、物質の輸送、神経伝達、筋収縮、ホルモン分泌等を行っていく。

エネルギーの担い手がATPであり、1940年代には生物の「エネルギー通貨」として使われていると考えられるようになった。

1 mol(180グラム)のブドウ糖が細胞の中で燃えて、二酸化炭素と水になる。その際、32 molのATPが出来る。1 molのATPは、7.3キロカロリー(ATPからADPに分解しリン酸を放出する場合)のエネルギーを持つので、32 molだと233.5キロカロリーが生まれる。

細胞の中でエネルギーとして、40%はATP、60%は熱として、体温維持に働く。

実際、糖(脂肪)を燃やして作られるエネルギー(は、約40%。ガソリンや電気モーターでのエネルギー効率は10%〜20%なので(蒸気期間はさらに効率低い)、細胞は非常に効率が高いのだ。

尚、ATPの必要量は成人の体重分。非常に多くのATPが作られることがわかっている。

食事は、食事のままでは細胞は栄養を取り入れることができない。

「消化・吸収」が必要なのだ。

消化とは

「身体(細胞)が利用できる状態にまで分解すること」

吸収とは

「分解したものを肝臓まで送り届けること」

胃腸内での働きを知ることが大事。

胃のなかで何が起きているのか?

胃の果たす役割(食事の保管庫、アルコール吸収)

小腸の果たす役割(消化、門脈やリンパ管を介して肝臓へ)

大腸の果たす役割(便を作ること、腸内細菌を使って栄養素を作りだすこと等)

を知ることが大事だ。

血糖値を上げるホルモン(グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール)、下げるホルモン(インスリン)等によって食事の消化に影響がある。

残り3回は、

細胞の仕組み、遺伝子、そして感染症について紹介していく。

単なる知識だけではなく

1)遺伝学が社会に与えた影響(優生学や経済学、人種差別、ナチスへの影響)

2)感染症の特効薬が西洋医学の運命を変えた(世の中は、東洋医学より西洋医学が優れている、西洋医学信仰が始まった)

3)抗生物質が生まれた後、安全性(副作用)の問題が発生。処方箋や国の薬の審査の手順が整えられた(処方箋の考えは、感染症の対処の中で生まれた)

等、西洋医学が社会的に与えた影響などを含め紹介していく予定だ。

もし上記のセミナーについてご興味がありましたら、下記をご参照ください。

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「科学の基礎を学んで、自分で考える力を身につけよう!」(身体の学校・ZERO塾)の「発想力」「応用力」の1期生を募集中です。

詳しくは、「「からだの学校」〜健康について自分で考える力を養おう」1期生の募集開始」をご参照ください。

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過去の記事については下記をご参照ください。

1回目・元素とは何か?(「「元素とは何か?」(1回目)〜「自分で考える力」とは何か?言葉を知ること、生活と関連づけること、科学の限界を知ること」)参照

2回目・電磁気とは何か?(「「電磁気とは何か?」(2回目)〜科学は社会に与えた影響は何か?どのような人たちが「目に見えない電気・磁気」を言葉していったのか?」参照)

3回目・エネルギーとは何か?(「「エネルギーとは何か?」(3回目)〜蒸気機関の産業から生まれた「エネルギー」の考え方:背景を知ること」参照)

4回目・栄養と酵素について(「栄養と酵素について」(4回目)〜アルコールの発酵技術+砂糖のプランテーションの歴史を覗く〜栄養と酵素について」参照)

5回目・消化と吸収について(「消化・吸収について」(5回目)〜食事からどのように栄養(エネルギー)にするのか?判断していくための知識として)」参照)

6回目・細胞について(「「細胞について」(6回目)〜細胞の構造、どのようにコミュニケーションを取り合うのか?」参照)

7回目・進化について(「「進化・遺伝について」(7回目)〜進化論から優生学へ、メンデルの法則から雑種(ハイブリッド作物)へ、人間と社会、知識をどのように応用するか?」参照)

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