2020年5月15日

【N#51】「知識の多さ」より大事なことは?(1)〜自分なりの「答え」を持って「情報」を集めること〜「博士」をとる意味

2001年に博士号に取得。
製薬業界で11年経験したのちに個人事業主として独立して現在に至っている。
私は日本の大学院で基礎医学の教育を受けた。

修士課程で2年、博士課程で4年、研究生の時代を含め、なんと7年!

20代の青春を博士号(医学)を取るのに費やしたことになります。
大きな回り道でした。

自分の人生に大きな影響を与えた、大学院での経験を少し紹介します。

博士号とは、いわば、研究者になるためのパスポートです。

「学位審査」=「Degree Defense」

学位審査に合格し、博士号が得られます。

日本語では、学位審査となっていますが、
英語の直訳では、
Degree=学位
Defense=防衛
「学位防衛」なのです!

自分の立てた仮説を守ることなのです。

実は、博士というのは、

「自分の立てた仮説をどのようにして検証していったのか?」

が試されるのであり、

「知識量がどれだけあるのか?」

が試されるわけではありません!

博士=「多くのことを知っている」と

誤解している人が多いです。

そして、日本人は

「知識が多い」=「偉い!」=「尊敬できる」

と考える傾向があるので、そのイメージが強まるような気がしています。。。

しかし、実際の学位審査では
「その大学院生が一人前の研究者になれるかどうか?」
を見られています。

例えば、

「研究内容をどれだけ理解しているのか?」
「なぜ、そのようなテーマで実験をしたのか?」
「そのプロジェクトは何が新しく、面白いのか?」等。

そして、審査を受ける大学院生は、
100ページ以上の学位論文(Thesis)を書くことが求められます。


論文を書くために大切なことは
論理的に物事を考えることです。

しかし、人間の脳は、

1)感情的に物事を考える

2)事実をありのままに見るのではなく、
自分の信じるように思い込む=納得できないものは信じない

という傾向があるため、
意識しないと論理的に物事を考えられません。

そのため、大学院の教育を通じて、

徹底的に論理的に物事を考えることがトレーニングされます。

学位論文はその一環。

指導教官から徹底的に直されることになります。

私の場合、自分の書いたものがほとんどなくなるぐらい赤字が入ったこともあります。

そして、最後に5人の教授の前で、自分の学位論文の内容を約40分プレゼン。

2時間かけて様々な質問が浴びせられ、
一つの作品として学位論文は仕上がっていきます。

試されるのは、

「その学生は一人前の研究者になれるかどうか」

「研究内容についてどれだけ理解しているのか」

大学院生たちは自分の立てた仮説を守るために、必死!

質問を受けて、追加実験も行い、切磋琢磨し、
晴れて学位取得となります。


論文というのは、こういった流れを経て、
出来上がっていくのです。

コロナウイルス感染が世の中に蔓延。
どのように対処したらいいのか?
全く答えのない感染症に対して、どのように答えを出していくのか?

「知識を多く求める力」

よりも

「自分がこれが正解だ!と仮に考えて、情報収集に当たること力」

の方はるかに大事だと思います。

大学院で学んだのは、まさにそのような考え方でした。

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「身体の学校・ZERO塾」は、自分で判断していくために、仮説の力をどのように使うのか?

「基本的な科学の考え方」

「仮説の見方」

を科学の歴史、社会や経済の歴史から切り込む。

知識を集める、どのように物事を考えたらいいのか?「考え方」を学びたい方がいらしたら、以下のサイトをご参照ください!

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過去の記事については以下のリンクを覗いてください。

1回目・元素とは何か?(「「元素とは何か?」(1回目)〜「自分で考える力」とは何か?言葉を知ること、生活と関連づけること、科学の限界を知ること」)参照

2回目・電磁気とは何か?(「「電磁気とは何か?」(2回目)〜科学は社会に与えた影響は何か?どのような人たちが「目に見えない電気・磁気」を言葉していったのか?」参照)

3回目・エネルギーとは何か?(「「エネルギーとは何か?」(3回目)〜蒸気機関の産業から生まれた「エネルギー」の考え方:背景を知ること」参照)

4回目・栄養と酵素について(「栄養と酵素について」(4回目)〜アルコールの発酵技術+砂糖のプランテーションの歴史を覗く〜栄養と酵素について」参照)

5回目・消化と吸収について(「消化・吸収について」(5回目)〜食事からどのように栄養(エネルギー)にするのか?判断していくための知識として)」参照)

6回目・細胞について(「「細胞について」(6回目)〜細胞の構造、どのようにコミュニケーションを取り合うのか?」参照)

7回目・進化について(「「進化・遺伝について」(7回目)〜進化論から優生学へ、メンデルの法則から雑種(ハイブリッド作物)へ、人間と社会、知識をどのように応用するか?」参照)

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