2021年1月14日

【B#103】「自分の頭で考える日本の論点」を拝読して〜「正解のない問題に対して、自分なりにどう答えを出していくか?」

2021年に入ってから2週間近くが過ぎたが、仕事をしつつも、例年比べ、自分のペースで物事が進められていい。

2021年1月8日、日本政府は1都3県(埼玉、神奈川、千葉)に非常事態宣言を発令。

2021年の年末から、新規の感染報告が過去最多を記録。医療体制がひっ迫していることから、現状に歯止めをかけ、減少傾向にしていくための政府がとられる政策。

昨年も、4月7日に非常事態宣言が発令、5月25日に解除された。

テレビ、マスコミ、SNS(フェイスブック、ツイッター)を含め、

様々な情報が流れているが、

コロナウィルスについては新しい感染症で、ワクチンを含めた治療薬がない現状がある。

そういった中、

「正解のない課題に対して、どのように対処していったらいいのか?」

が自分を含め、一人一人が求められているように思う。

私も、コロナウィルスについては、色々と調べ、1月24日と2月に情報共有をした上で、皆さんと話し合う機会をセミナーを通じて開催する予定だが、それは、自分の知識を共有するよりも、一人ひとりが、自分で物事を考え、答えを出していくための手助けになればと考えている。

さて、新年早々、

「正解のない問題に対して、自分なりにどう答えを出していくか?」

について、ヒントとなるような新書を読んだので紹介したい。

元ライフネット生命会長で、現、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんの新刊・新書の「自分の頭で考える日本の論点」だ。

似た時期に新書として「歴史を活かす力」も発売されたが、こちらは「世界史」を例に、人生に役立つことを取り上げており、合わせて読むと相乗効果があると思う。

出口さんは、物事を考えていくためには「タテ・ヨコ・算数」を大事にするという。

すなわち、

タテとは、昔の歴史を知ること

ヨコは、世界がどうなっているのかを知ること(日本だけではなく、諸外国と比較する意味)

算数は、数字、ファクト(事実)、ロジック(論理)で裏づけていく

という意味。

この3つで物事を見ていくと、マスコミやSNSを追いかけて行かなくても、自分で答えを導き出すことができるという。

自分の頭で考える日本の論点」では、国内外で直面している問題の中から、人々の意見が和帰れている「論点」を22個選び、問題の背景いがやどのような意見があるか、知識を紹介、出口さんがどのようなプロセスで考えていったのか?を書いている。

その上で、出口さんの考えに縛られることなく、プロセスを見た上で、自分ならどう考えるのか?考えるきっかけになるといい、というスタンスに立っているのがいい。

多くの本は、自分の知識や考えを紹介するために、書いているので、読者から共感を得られるかどうかで書いてしまうが、出口さんの本は比較的ニュートラルで、押し付け感がない。

ベースになっているのは、

『人間はあまり賢くはないが、それでも理性的な思考があれば、今よりも良い世の中を創ることができる』

ことだ。

米中関係、LGBT、コロナ対策、憲法9条、教育についてに対しても、どちらかの主張に肩入れすることなく、冷静にご判断さているのが面白いと思った。

人間って、どうしても「正しい」「間違い」が入ってしまうと、議論が終わってしまう。出口さんもおっしゃっていたが、それぞれが違う人間であり、一生懸命考えた上で、結論を出していると認めると、個性を認めることになり、社会も発展していくという考えは、納得。私自身、世界一周した経験からも言えるし、社会に多様性が出てくると思う。

個人的に面白かったのは「日本人は働き方を変えるべきか」についてまとめられた論点3だった。

日本の働き方について、色々な数字を紹介した後に、諸外国の先進国でどの国を比較して、どの国の働き方を参考にすべきか。

高齢化先進国で人口や面積も近く、資源も乏しいヨーロッパのドイツやフランスが参考になるという。

以下「自分の頭で考える日本の論点」から引用すると、

「日本とヨーロッパのこの四半世紀を比べると、ヨーロッパは年1300〜1400時間働いて、年平均2.5%の成長を維持しています。一方で、日本は正社員ベースで考えると2000時間以上働いて、年平均1%しか成長していません(略)

2.5%と1%というと、たった1.5ポイントの差と思うかもしれませんが、割合からすると、2.5倍、とてもい大きな差です。しかも、日本の方が1.5倍も長いにもかかわらずです」

そして、日本の労働生産性がG7の中で最も低いことを取り上げ、今日本人に働き方改革が求められる根本的な理由はこれらの数字にあることをいう。

日本は、物を作っていく=製造業のモデルにこだわっており、

それらに必要な人材は、

「偏差値がそこそこ高く、素直で、我慢強く、協調性があり、上司のいうことをよくきく」

が求められていたという(出口さんは、これを誤解を恐れずにいえば「低学歴産業」と呼んでいる)。

これに対し、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)や今栄えている企業(ユニコーンと呼ばれる)を生み出している原動力は、ダイバーシティと高学歴という。

色々なバックグラウンドを持った人が集まると面白いアイデアが出る、そのために外国人もそうだが、女性の社会進出はどうか、を含めて考えること。

学歴の方だが、今の日本は構造的な低学歴社会になっているという。

日本は現在、2人に1人しか大学に行っていないというレベルになってしまっているという。

人と会うこと、本を多く読むこと、旅をすること等、脳を活性化させることも大事で、それらを通じてアイデアを出して、

「ヨーロッパのように1ヶ月間夏休みをとっても2.5%成長する人間味あふれた社会を作り出したくありませんか」

と締めている。

今、ニュースになっていることを、自分なりにどう考えたら良いのか?迷う方に手に取っていただきたい一冊だ。

さて、2021年に入り、私自身「寺小屋・ZERO(テラゼロ)」というセミナーを新たに立ち上げました。

今の教育は、受験に合格することが目的で、知識を「暗記」することが中心・・・。

先生が一方的に生徒に教え

「知識が正しいか、間違っているか?」

という目で知識を見てしまう傾向がある。

テラゼロでは、大事にしているのは、

「なぜ、そのような考え方に至ったのか?」

を見ていき、一人一人が、考えるきっかけを与えるようなセミナーです。

科学の知識の背景となった世界史、政治・経済・社会的な側面も学んで行くことで、

「「答えのない時代」をどう生きているのか?」

科学の基本的な考え方を身につけることで、一緒に学んで行けるような仕組みです。

「原点に戻る」〜テラゼロの立ち上げた理由+各コースの簡単なご紹介」に書いたので、ご興味がありましたら、チェックしてください。