【R#218】姿勢を整えるって、なぜ大事?〜自分軸は身体にどのように影響を与えているのか?〜自分軸の意味を含め

こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。
現在、キャリアと栄養についてのセミナーを提供中している。
キャリア形成のセミナーの中では、
「キャリアを形成して行く」
上で
「なぜ姿勢を整えることが大事なのか?」
考え方について紹介している。
今回は、なぜ、姿勢を整えることは、自分軸を発達させて行く上で重要なのか?についてシェアしたい。

私は時代背景があると思っている。
第二次世界大戦の前の日本は終身雇用がなく、労働市場が極めて自由度の高かった。

それが、第二次世界対戦前後で、終身雇用や年功序列の仕組みができ、高度経済成長の支えになっていく。
バブル崩壊し、失われた30年と言われるように、日本の停滞が続いているので、新たな発想が必要になる。
終身雇用や年功序列の考えがあった時には、キャリア形成は会社任せでなんとか凌ぐことができた。
しかし、会社の平均寿命と人間の平均寿命から、それが期待できなくなってきている。
第一に、中小企業白書(2011年)によると、企業の淘汰が激しく、今後10年後に3割の企業が、20年後に5割の企業が市場から無くなる可能性がある。

第二に、リンダ・グラットンの「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略」によると、1840年以来、平均寿命(ある年齢の人々が、その後何年生きられるかという期待値)が1年に3ヶ月増えており、10年で2〜3年の平均寿命の伸びがあるという。


そこから100年人生が訪れることを考えると、65歳で定年退職。引退して35年間年金をもらう生活は果たして持つのか?
経済的にみて、厳しいことを「ライフシフト」で分析している。
いつクビになるかどうかわからない世の中。
自分で物事を判断して行くためにどうしたらいいのか?
より一層
「自分で判断していく軸」=「自分軸」
の考え方が重要になってくるのではないかと思う。

漠然と語られる「自分軸」って一体なんなのでしょう?
人間は誕生してから、親、友達、学校の先生、企業の上司を含め、さまざまな教育を受ける。
教わったことを下に、「無意識」に自分の判断軸を決めて、行動している。
例えば
「自分で物事を決められない人」は「自分で決めない」という決断をする
「人に頼ってしまう人」は「人に頼る」という決断をする
等。
キャリア形成のセミナーでは、
「外部の考え」=「他人軸」
で物事を決めていることを認めた上で、
「自分をどのようにみているのか?」=「セルフ・イメージ」
は、自分で決められることを伝え、ワークを取り入れながら、徐々に書き換えらることを伝えている。
しかしながら、その書き換えを加速して行くためには「身体を整える」ことも大事だ。

一方で、完全に忘れ去られているが、
「身体が整っているかどうか?」
も自分軸の判断に重要な役割を果たしていると思う。
人間が胎児から新生児として誕生するときに、重力の影響に置かれ、重力との関係から身体を整えていく。
ロルフィングのセッションでは、
「筋膜へアプローチ、身体と重力との関係を見つめ直し、身体を土台から整える」
ことを提供。
エネルギーを「姿勢を整えること」から「自分の能力を最大限発揮する」ことへ変えるような手伝いをしている。

最近、イノチグラスの開発者の灰谷孝さんの「人間脳を育てる〜動きの発達&原始反射の成長」を手に取って読んでみた。
子供の発達障害は、身体が整っていないことから起こることを色々な専門家との話を交えながらわかりやすく紹介している(ぜひ、発達障害をお持ちの方には勧めたい本だ)。

例えば、
1)関節・筋肉の動きを脳に伝える感覚(固有受容感覚)が整っていると、指先、足の裏、膝など、身体の全部の位置がどこにあるのか?がわかる。
この感覚が弱いと、障害物の距離の取り方が掴めず、ぶつかる、人間の距離の取り方にも影響するらしい。
→結果的に、自分の立ち位置がわからない、他人の立ち位置がわからない、非社会的な行動につながる等が起きる。
2)身体をまっすぐに保つのに必要な感覚(前庭覚)が整っていると、身体のミッドライン(中央軸)を整えると、この感覚が使えるようになり、重力の中で自分の身体を自由に使えることで、能力が発揮できるようになる。
この感覚が弱いと、今この活動にどの程度筋肉の力を入れるのか?ができない上で、ヘタをすると、姿勢の問題から、読み書き聞き取りが苦手になる。例えば、首の筋肉が極端に弱い、無意識的に自分の筋肉をコントロールしにくい等。

このように身体の姿勢が整っていないと、子供に限らず、成人にも精神的にも大きな影響を与えると考えられる。
もう一つの例として、ヨガのポーズは、ポーズが上手くなるためにデザインされているわけではなく、座禅を組んで20分瞑想し続けるための姿勢を整えるためにある。
私もヨガのポーズを実践してから10年近くが過ぎたが、ポーズが上手くなってきたよりも、精神的に落ち着くことの効果が大きく、瞑想に入りやすいことも実感としてあり、ロルフィングと合わせて自分のことを判断して行く上で、役立った。
こう考えていくと、能力を発揮すること、自分軸を整えることは、身体を整えることに密接に関わっているのと思う。
引き続き、このテーマでブログで取り上げて行く予定だ。
身体を整えることを含め、ロルフィングについてご興味のある方は「ロルフィングとは?」のサイトをチェックください。