【R#233】「足裏」を整えるとは?〜視覚・聴覚のバランスにつながる?〜ロルフィングの2回目のセッション「足裏」

はじめに

みなさん、こんにちは!
東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

身体感覚の面白さ〜なぜ役立つのか?

私は、2015年6月から渋谷・恵比寿・代官山にて、ロルフィング・セッションを提供している。

ロルフィングとは、
1〜2週間に1回、手技を使って、毎回テーマに沿って施術を行う方法の一つ。

身体を整えながら「身体感覚」を磨くことができるので、
身体の不調(肩こり、腰痛)も改善する。

前回、ロルフィングの1回目では、呼吸を整えることを取り上げ、
アニー・マーフィー・コール著の「脳の外で考える」の本を紹介した。

「身体感覚」を研ぎ澄ませると、何が起こるのか?いろいろな事例を紹介している。

例えば、証券会社のトレーダーは、知識や分析力を持っている人よりも、身体感覚が鋭い人の方が成功しやすい等。

実は
「体からのフィードバックに注意深く耳を傾ける能力が長けることで正しい判断ができるようになる」=「直感が使えるようになる」
らしいのだ。

身体感覚は、他の人とやり取りするときにも役立つ。

我々人間は、無意識のうちに、
相手の顔の表情、ジェスチャー、姿勢、声の高低等
ほんのわずかだが・・・真似している。

そして、自分の体が発する、身体感覚を通じて、相手が何を感じているのか?
を自分の身体で感じ、相手の感情を知覚していく。

この意味は、身体を橋渡しとして、他の人の感覚を取り入れ、相手の理解が深まると考えていただくとわかりやすい。

実際、ボトックス注射で、顔の表情筋を麻痺させると、注射を受けていない人に比べ、相手の感情が理解できないらしい。というのも、自分の中に相手の感情を取り込んで真似することができなくなるからだそうだ。

ロルフィングの第1回目のセッションでは、身体感覚を働かせる第一歩として「呼吸」を整えていく。

前回のコラムでは、呼吸を整えていくことで、身体がどう整っていくのか?について書いた。

呼吸(上半身)が整った段階で、次は足裏(下半身)を整える準備ができる。

足を整えるセッション〜足裏からのメッセージ

「では、なぜ足裏なのか?」

実は、足裏が緊張していると、背中にある腰、肩、首まで、緊張する。
逆に、緩めると背中全体が緩むのだ。

興味深いことに、
手を挙げる前に、身体全体を支えるために足の裏側の筋肉(特に足裏からふくらはぎの筋肉)が緊張する。
し、

肩凝っている人は、ふくらはぎの筋肉が硬い傾向
にあるからだ。

そこで、足裏がしっかりと使えるようになると、
背中の緊張が取れて、その内側にある深層筋(インナーマッスル)が使えるようになる。

ロルフィングの足裏を整えるセッションでは、
1)土踏まずを含めた足裏全体の筋肉を使える状態に緩める
2)下半身全体と足裏とのつながりの意識を強化する
3)足裏から上半身(背骨)の意識をつなげる。
を意識しながら行う。

足裏のセッションを受け終わること、
足裏が地面に吸い付くような状態になるので、
つま先と踵のバランスが改善していく。

例を挙げたい。

私のセッションを受けているヨガのインストラクターたちの中で、この足の感覚を掴んでいない
人が思いの外多い。

特に立位のポーズの時に、足の感覚が掴んでいないケースの場合、背骨が不安定になる。
最終的に、全身が緊張して、せっかくのヨガのポーズをとっているのに疲労感いっぱいになる。

足裏を整えるとは?〜視覚・聴覚のバランスを整えること

実は、つま先と踵が意識できるようになると、
視覚と聴覚の使い分けも身体感覚として、理解が深まる。

というのも
「目」を使うと、つま先
「耳」を使うと、踵
重心になりやすいから。

3 system in the posture 2

それは、顔の中の目と耳の位置を見るとわかる。
目は顔の前、
(目に比べ)耳は顔の後
にあるため、その影響を受ける。

逆に、
「つま先、踵のどっちがより多く使っているのか?」
が理解できるようになると、バランス良く五感が使えるようになっていく。

例えば、ヨガのポーズをとっている人の場合は、足裏でどのようなバランスになっているのか?の理解が深まると、目線が定まりやすくなる。

更に、足裏の関節が動きやすくなると、興味深いことが起きる。

足裏を整えると健康にも影響が・・・

ヨガには、手と足を含めた関節を一つ一つゆっくりと動かす「スークシュマ・ヴィヤヤーマ」という準備体操がある。

ポイントとなるのは、
手足の関節を「呼吸と合わせて」「ゆっくり」「丁寧に」「身体を感じながら」
動かしていくことだ(例えば、グーパー、踵や足指一つ一つ動かす)。

すごいのは、日本ヨーガ禅道友会の創設者である、ヨガ実践者の佐保田鶴治さんが、これを実践して健康を戻したことだった。

なんと、佐保田先生は、60代まで不健康で、
「どう対処したらいいのか?」
わからなかった。

62歳の時にヨガと「スークシュマ・ヴィヤヤーマ」に出会う。

この準備体操を取り入れるようになったら、

完全に健康を取り戻し、80代後半まで生きることになる。

私は、ヨガのインストラクターとして、人々にポーズを教える時、必ずこの準備体操を行う。

その後に、立位や座位のポーズをとると、足や手を使う感覚が掴みやすくなり、ヨガのポーズも安定。更に、座っているとき、瞑想が入りやすい身体になっていく。

詳しくは、「アサナプラナヤマムドラバンダ」をチェックいただきたいが、
経験的に「スークシュマ・ヴィヤヤーマ」の準備体操で、感じにくいのが足裏だ。

ロルフィングの第2セッションでは、足裏を緩める感覚がわかると、
「スークシュマ・ヴィヤヤーマ」がやりやすくなる。

まとめ

ロルフィングでは、呼吸、足を整えるという順番で、セッションが行われるが、
足のセッション終わると、前後のバランスを整える準備ができる。

この内容が少しでもお役に立てれば幸いです。