【RM#33】Rolf Movement – Part 3(8)〜トレーニング修了、亀のマインドとウサギ脳の違い、ゆっくりと学ぶことの意味

2019年12月1日(日)、ドイツ・ミュンヘンのEuropean Rolfing Association(ERA)にてRolf Movement Practitionerとしての認定を無事受けた。

2017年7月7日から始まったトレーニングも、30日目(最終日)。

東京とミュンヘンを往復すること6回することになったが、途中、テレビ取材が入ったので、予定よりも1年半遅くなったがタイミング的には本当に良かったと思っている。なぜならば、Rolf Movementの内容を消化する時間があったからだ、

Part 3の後半については「クラスはどのように進行するか?フィードバック+クラスの雰囲気」に書いたが、50分間のEmbodimentのプレゼンテーションがメイン(Embodimentについては「身体感覚〜Embodimentとは何か?」参照)。

毎日4人のプレゼンを4日間、最終日は2人の合計18人のプレゼンを受けた。
私のプレゼンについては、「プレゼンが2日目の最後に。どのように進めていったか?」に書いた。2日目で終わったので、その後の3日間、集中して残りの生徒10名のEmbodimentのプレゼンを緊張することなく受けることができたのが良かった。

Rita Geriola(以下Rita)は、人に物事を教えるのに大切なのは実践し、そのプロセスの中に入ることとクラスの中で伝えていたが、私以外の17人の教え方にはそれぞれ特徴があり、取り入れてみたいものも多数あった。

今回のトレーニングで学んだことは、
1)自分の強み・特徴を知った上で、内容を伝えること
2)ターゲットとなるお客さんは誰なのか?それぞれに理解できる言葉を事前に準備すること
3)お客さんに何を伝えたいのか?明確にした上で、クラスを開催すること
等。ありきたりなことかもしれないが、それを体感して知ったことが大きい。
他にも、他人のプレゼンを受けた後に、フィードバックを聞いていると、どんなにいいクラスをしても、「いい」「悪い」の意見が出るので、自分の伝えることは大事にした方がいいことも知ることができた。

Rolf Movementのセッションやグループにプレゼンする際に、手順がないところが面白い。
いい意味での混乱+Tonic Functionについて」に書いたが、Rolf Movementには自由度がある分、どのようにセッションが終焉してくのか?見えなく不安になっていくことがある。ただ、最終的にセッションとして成り立っていくことができるので、身体の変化のプロセスをより信じることが求められる。

そういえば、Rolf MovementのPart Iを受けていた時、Giovanni Felicioni先生から’Guy Claxton: Hare Brain, Tortoise Mind: How Intelligence Increases When You Think Less‘を勧められて、トレーニング期間中に手にとった。
本書には、人のマインドには、3種類あることが紹介されている。
1)瞬時に判断するマインド(unselfconscious, instantaneous reaction)→五感が関わっている
2)論理的に熟考(Deliberationと呼ぶ)するマインド→知性と呼ばれている(Hare Brain=ウサギ脳)
*DeliberateのLiberateの語源は「バランスをとる」。計算しながら論理的に考える意味として訳している。
3)ゆっくりと考えるマインド(Contemplateと呼ぶ)(Tortoise Mind=亀のマインド)
*Contemplateは、ラテン語 con-(一緒に)+templum(神殿;占いの儀式を行う場所)→temh-(切る)が語源になっている。「 世俗から切り離された場所で瞑想にふけること」という意味。ゆっくりと考えると訳している。

1)と2)は、分かりやすいと思うが、ゆっくりと考える「亀のマインド」はそれほど注目されていない。実は、基礎トレーニングもそうだったが、Rolf Movementトレーニングでも時間をかけて、学んだ内容・知識・手技を消化していった。時には混乱しながら、直感を使いつつ、時には身を委ねることも。
同書では、科学の発見も時間をかけて発見していくものであることから、「ウサギ脳」よりも「亀のマインド」の方が強いという。

ロルフィングやボディワークも同じで、違った脳を使うことになるので、経験を体感レベルに落とすまで、どうしても時間がかかる。会社員として勤めている人から見ると、効率的に考える「ウサギ脳」を使うので「亀のマインド」の状態にするの、なかなか慣れないので苦労するのでしょうね。

最終日の朝(午前8時15分)、Rita Geriola(以下Rita)、France Hatt-Arnold(以下France)、Herve Baunard(以下Herve)の3人と個人面談でもそのような話題になった。

興味深いのは、FranceがContralateralの動きのところをもう少し、セッションに取り入れて、スキルを向上させていった方がいいのではないか、という指摘だった。セッション8〜10を提供していく際に、非常に大切なので、貴重なフィードバックになった。

Rita、France、Herveの3人ともHubert GodardからRolf Movementを学んでおり、内容に消化するのに時間がかかるといっていた。まさに「亀のマインド」の姿勢で学ぶことなのでしょう。

クラスをどのように改善していったらいいのか、どの部分を向上させていったらいいのか?等が中心で面白かった。スキルはどんどん向上しているので、このままMovementに取り組むといいよ、といっていたのが励みになった。

最終日は2人のプレゼンを終えた後に、認定式へ。認定式の時に、3つのグループに分かれてちょっとしたゲームも行い、本当にわきあいあいとした雰囲気で臨むことができたのは良かったと思う。

認定を受けるにあたって様々な方にお世話になった。改めて御礼申し上げたい。
せっかく、Rolf Movement Practitionerとして認定を受けたので、ヨガ・クラスや通常のセッション、そしてメンテナンスのセッションに取り入れればと考えている。