【R#73】Phase III(14)〜自律神経系への影響

ロルフィングのトレーニングの開始当初。自律神経系について考えされられる体験をした。一番最初のクライアントセッションの際、セッションが終わる直前になって「自律神経系が解放される」(英語では、Arousal(目覚めさせる)ともDischarge(解放)という言葉が使われる)という経験をした。
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身体を調える過程、特にセッション4〜7の深層のセッションに入ると起きやすいこととして知られている(深層セッションについては【RolfingコラムVol.21】参照)。Phase IIのトレーニング中でGiovanni先生から説明があったが、実際にPhase IIの生徒同士のセッション中に涙や自分の中で今まで押さえ込んでいた感情が出てくることで現れることがあり、実体験として感じることができた。今回のPhase IIIトレーニング中に体験したケースでは、テーブルでのセッション(初回のセッション1)が終わり、起き上がった直後に身体の大きな変化についていけなくなり、冷や汗やめまいなどの自律神経系の症状が現れた。先生に助けを求め、落ち着いて対処することで、最終的に起き上がることができて、解決した。そして、その後も継続してセッションに訪れている。
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「自律神経系が解放される」というのは様々な症状として現れる。例えば、呼吸が浅くなる、冷静さを失う、胸のみ動きが認められる(腹に動きが見られない)、背筋の姿勢が崩れている、涙を流すや皮膚が蒼白等。
Phase IIIのトレーニング中(2015年3月4日)、5人がテーブルに横になり、残りの5人が時計回りにそれぞれのテーブルへ向かい、仙骨に手を当てて上半身でどのような変化が起きているのか?観察するというワーク。合計で3人が1人に対して仙骨を当ててそれぞれの手のあて方によりどのように違った感じ方をするのか?を体感することができた。驚くべきことに、私を含め3〜4人は、手を当てていた時間が長かったためか、なかなか起き上がることができず、先生に施術していただいてようやくテーブルから上がることができた。いわば「自律神経系が解放される」という体験の一つだったと思う。
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ロルフィングのトレーニングに参加前に6年間アシュタンガヨガのマイソールクラスで自主的な練習を継続していた。興味深かったのは、ポーズの練習中に感情が出てくるケースが生徒の中に出てきたこと。特により身体を広げることが求められる後屈系のポーズで涙をする人も見かけたことがある。これはまさしくヨガのポーズによって自律神経系に影響を及ぼし「自律神経系が解放される」という体験の一つではないかと思う。
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トレーニングで学ぶのは、「自律神経系が解放される」体験を目撃したとすると、身体の中でホメオスタシス(恒常性=内部環境を一定に保つ仕組み、いわばバランスを調える仕組みが身体の内部にある)の機構が働き、身体が落ち着いてくるということ。その点を知ると、冷静に対処できる。
自律神経系に大きな影響を及ぼすロルフィング。もちろん、ロルフィングの施述は身体の全てが施術対象であるからであり、腹腔や胸腔、首回りや仙骨などは自律神経系へ影響を及ぼすからだ。
自律神経系とロルフィングについては本コラムで再度触れたい。