【R#32】Phase II(20)〜絵画史と身体(2)〜絵画史から顔と頭をどのようにみるのか?

ロルフィングのトレーニング中に絵画の写真がよく出てくる。身体と絵画史について、本ブログで過去に一度触れたことがあるが(「【RolfingコラムVol.14】絵画史と身体(1)」)、今回は第二弾として再度取りあげたいと思う。
セッション7では、顔・頭を扱う。顔は外の世界を認識するために重要な感覚器官。これをどう身体の内部(本ブログでは身体感覚と呼んでいる)とつながっているのか?学ぶセッションでもあり、ロルフィングの面白さを知る上で重要なセッションもである。
主要なテーマである頭・顔に入る前に、アートにおける頭・顔の表現について、触れたい(この内容もGiovanni先生からのもの)。
ルネサンスの時代のジョットやラファエロは、身体を立体的に捉える見方をアートに反映させるようになったが(「【RolfingコラムVol.14】絵画史と身体(1)」)、Piero Della Francescaは、頭・顔を含めて立体的に捉えることで、頭・顔とともに世界が広がっていくという感覚を捉えた。それは、心が安定しているという表現を顔を通じて表現しているといっていい。
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実は、インドのガンダーラの時代(2〜3世紀)の仏像にもその表現法が認められる。頭の位置によりバランス、統一感、全体感が現れている。まるで、自分の心に中に入り内省し、安定した頭と足を通じて、手と手を合わせている姿を通じて仏教の教えを伝えているように見える。
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最後に取り上げるのが、19世紀のアーティストのアメデオ・モディリアーニ。モディリアーニの作品には、顔・頭を彼一流の描き方により、その人への特徴が現れるような表現方法を考えている。例えば、下記の作品は首を長く顔を表現することにより、その人の人間としての美しさや知性など、身体の三次元によって現れる感情を表現することに成功している。
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絵画から分かることは、頭の位置の描き方によってその人の考えていることや表情が変わっていくということ。絵画をこのように見るとまた面白いと思う。