【R#243】力を抜くとは?(余計な力が入らない)〜どのように最低限の力で姿勢を整えるのか?

はじめに

みなさん、こんにちは!
東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

「力を抜くこと」とロルフィング

私は、2015年6月から渋谷・恵比寿・代官山にて、ロルフィング・セッションを提供している。

ロルフィングとは、
1〜2週間に1回、手技を使って、毎回テーマに沿って施術を行う方法の一つ。

身体を整えながら「身体感覚」を磨くことができるので、
身体の不調(肩こり、腰痛)も改善していく!

10回セッションからなっており、
1回目〜3回目までは、表層の筋肉を扱い、
1回目では、呼吸を整えること、
2回目では、足裏を整えること、
3回目では、前後のバランスを整えること、
で、いずれも身体感覚を呼び起こし、心や世の中に対しての見方を徐々に変化させていく。

4回目〜7回目までのセッションでは、深層の筋肉を扱う。
(身体の内側にある)中心軸にアプローチするからだ。

手順は、
4回目で、下半身(内転筋〜骨盤底付近)を整えること
5回目で、上半身の背骨の前側(腸腰筋、内臓、横隔膜)を整えること
6回目で、上半身の背骨の後側(脛、臀筋群、仙骨、背骨)を整えること
7回目で、上半身の肩と首全体を整えること
になっている。

8回目以降は、今まで整えた身体を統合させていく。

今回は「力を抜く」(ここでは「余計な筋肉の力」を抜くという意味で使っている)をキーワードに説明していきたい。

なぜ、取り上げるかというと
「ヨガのポーズの柔軟性や可動域を広げていくことを探求していく中でロルフィングやボディワークと出会った」

からだ。

「力を抜く」〜ヨガで学んだ3つの方法

私は、2012年8月から12月にかけてヨガの指導者育成コースをアンダー・ザ・ライト・ヨガ・スクールで受けた。
その時に解剖学から見て「身体の力を抜く(これは余計な力が入らないといってもいい)」には3つ方法があることを学んだ。

1つ目は、力を入れることで力が抜ける。
まず、力を抜くためには、
「なぜ力が入っているのか?」
知ることが大事。

肩こりが起きている場合にはどの筋肉に力が入っているのか(肩こりの場合には僧帽筋なのだが、、、)?を知らなければ、どのように力を抜くのかわからないわけだ。
肩こりの多くは、どうやってそこに力が入っているのか?わかっていない。
そして、力を入れることを覚えると、緩めることができる

2つ目は、筋肉の相反作用を利用すること。
実際緩めようとする筋肉、例えばもも裏のハムストリングスを緩めようと思ったら、反対側(表側)の大腿四頭筋(もも正面の筋肉)に力を入れることで、ハムストリングスが緩む。
腕もこぶの筋肉が縮んでいるときには、その裏の筋肉は緩んでいる。これを筋肉の相反作用という。

ヨガのポーズでは、相反作用がよく使われる。

3つ目は「中心軸」を意識すること。
人間が座る、立つは、重力に逆らった姿勢だ。
中心軸(背骨)がしっかりと意識できていないと、身体に余計な筋肉の力が入る。
座っている場合には、頭のてっぺんから座骨までがしっかりと軸となって背筋が伸びると他の筋肉に力を入れる必要がないので、力が抜けやすくなる。
このように、力を抜くためには、ある程度筋肉や中心軸の意識が必要だ。

そして、この3つによって力が抜けることで、背筋も伸び、胸も開いて行くことから呼吸も深くなる。呼吸が深くなると、心が穏やかになり、リラックスへとつながる。

3つが現しているのは、ヨガのポーズは長時間座り深く呼吸するためにはどうしたらいいのか?力を抜くためのエッセンスが、ヨガのポーズの中にあることだ。

残念なことに、解剖学を学んだが、ヨガのポーズを通じて、力をどう抜くのか?についての大きな理論が不足していると感じ、違ったアプローチが必要だと実感した。

そこで、「力を抜くこと」に関して、西洋で発達した「ボディワーク」に目を向けるようになった。

アレクサンダーテクニックと力を抜くこと〜肩が楽に

まず初めに出会ったのが、アレクサンダー・テクニック。
マイソール東京で一緒にアシュタンガ・ヨガを練習していた仲間の一人でアレクサンダーテクニックの講師の荒牧稔博さんから紹介され、目黒駅から徒歩圏内にあるアレクサンダー・テクニックの講師養成学校のボディ・チャンスへ。

頭と脊柱の関係に注目することで、身体の不必要な自動的な反応に気づき、それをやめていくことを学習。
学習を積み重ねていくことで「力を抜く」ことを身体で覚えていく方法だ。

言葉で説明するとこうだが、実感するのが一番。

実際、ボディ・チャンス代表者のジェルミー・チャンスからグループセッションを受けた時に、手を触れられるだけで、すごく力が抜け、肩が楽になった衝撃を今でも覚えている。

アレクサンダー・テクニックは、オーストラリア人の劇作家フレデリック・マサイアス・アレクサンダーによって開発された方法で、一時的に劇的によくなる。

あまりにも素晴らしかったので、2012年にボディチャンスの半年間プロコースを受講した。

実は、ロルフィングはアイダ・ロルフによって開発された手法だが、アイダ・ロルフ、フレデリック・アレクサンダー、フェルデンクライス・メソッドを開発したモーシェ・フェルデンクライスは西洋ではボディワークの三大巨匠とも言われている。

ロルフィングとフェルデンクライス同時代に生き、ボディワークの手法について相互に大きな影響を及ぼす仲だったらしいが、アレクサンダーはそれよりも前に生きた人。
しかしながら、ロルフィングの研修中に、何度もフェルデンクライスとアレクサンダーの名前が出てくることもあり、影響を受けているのは確かだ。

そして、アレクサンダーテクニックを学んでいる最中に、ロルフィングと出会う。

ロルフィングとの出会い〜ヨガのポーズが深まる

2012年12月にロルフィングの10回を受けることで、
身体の表層の部分(1回〜3回)
身体の深層の部分(4回〜7回)
統合(8回〜10回)
のプロセスを通じて
「最終的に、不要な筋肉を使うことのない、力がある程度抜けた身体」
になっていくことを実感していく。

身体の構造に働きかけ、専門家に施術を行ってもらうことにより、身体が一層整うということは、私自身にとって大きな発見であった。実際に体験して効果があったと確信。肩こり、首こりは以前に増して改善していった。
そして、ヨガのポーズが後屈を中心に楽にとれるようになった。

さらに、アレクサンダー・テクニックは2400時間かかるのに対して、ロルフィングは700時間で資格が習得できる。
このことから、ロルフィングの資格を2014年8月から2015年3月にかけてミュンヘンで取得した。

身体は本来の場所がわかっている〜動くスペースを広げる

ミュンヘンで、ロルフィングのトレーニングを受けていると、Articulationという言葉がよく出てきた。
解剖学の用語で「関節」を意味する言葉だが、関節には別の言葉でJointがあるのに。
あえてArticulationの方を頻繁に使っていた。

なぜ、Articulationを使っているのか?
実は、Jointは、joinという言葉が表すように二つを一緒にする(繋ぐ)というニュアンスがある。
骨と骨を連結する部分を関節とすると一見、間違いではない。

一方で、articulationという言葉は、「繋ぐ」よりも「空間」や「間」を意味し、
文章に「間」をもたす、動詞のarticulate(明確にする)の派生語もある。

ロルフィングは、
身体は本来の場所がわかっていると考え、意識に目を向けさせる。
そして、
「身体内にスペース(空間)があることに意識を向ける(英語でevoke)ことで、余計な筋肉の力が抜けていく」
ことを念頭にセッションを提供する。

articulation(=身体内のスペースを広げる意識をもつこと)は、まさにロルフィングの特徴を現している。

例えば、肩こりや腰痛がある場合には、肩や腰に関わる様々な筋肉が緊張していて、共同で筋肉が働けない状態(偏った使い方)になっている、又はある程度動くためのスペースが出来ていないために起きている。ロルフィングでは、筋膜の緊張を解くことによって肩や腰を含め、身体の全体を調える。結果として身体内のスペースが広がるような意識を持てるようになり、筋肉の動きが改善されていく。

スペースと1〜3回目のセッションとの関係についても見てみよう。
1回目のセッションでは上半身のスペースを広げることで「呼吸を調える」
2回目のセッションでは、下半身のスペースを、
3回目のセッションでは、身体の前後のスペースを広げる意識をもたせることで
呼吸や歩行の改善が可能となる。

このようなことで、
緊張や日々のストレスによって表層優位になってた身体が、
余計な緊張が抜けスペースを与えられることで、深層が働き出す

最終的に、重力によって深層に対して適切な刺激を与えることになるので、経験的により適した場所に身体が収まる
ようになるのだ。

ヨガとスペース〜開いた状態と閉じた状態

このようなスペースの意識は、ヨガにもある。

日本で開催された、Leslie Kaminoffのティーチャー・トレーニング(2013年5月)に参加した時、ヨガ哲学についてduhkhaとsuhkhaの二つの言葉を対比しながら説明していた。「kha」は、スペースを意味するのだが、duhkhaとsuhkhaの意味は、
duhkha:スペースが窮屈な状態(suffering bad space):仏教における「苦」はここからきている。
suhkha:スペースが開いた状態(good space(freedom, space))
である。

身体は十分なスペースがないと適切な呼吸ができないことを考えると、ロルフィングに考えが似ている。なお、Kaminoff先生は、「ヨガとは、sukhaを広げ、duhkaを狭める(=ヨガは、身体内にスペースを作り呼吸をしやすくする)」と言ってた。

まとめ

私は「力を抜くこと」を探求していく中で、ロルフィングと出会い、今のセッションの提供につながっている。
少しでも、この投稿が参考になれば幸いです!