【R#271】集中力を高め、学習効果を高める〜日常生活でできることは?〜

はじめに

こんにちは!東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。

脳は変化することができる〜集中力を高め、学習効果を定着する

私は、2015年6月から渋谷にて、ロルフィング・セッションを提供している。セッションでは、健康を維持するために、生活習慣をどう改善していったらいいのか?アドバイスを送っている。

脳は一生変化し続けるからこそ、楽な姿勢は見つかる」に書いたように、以前、医学界では、長年「脳は変化しないもの」と信じられていた。その流れが変わったのが、1960年代から1970年代。

「環境に応じて、脳は自ら変わることが出来る」ことが注目され、「脳の可塑性(Neuroplasticity)」(脳(神経)細胞(neuron)と可塑性(plasticity)(=変化できる、修飾できる)の造語)が語られるようになったのだ。

脳は、内臓、筋肉を含め、すべての組織と繋がっており、指示を出していることが知られている。ロルフィングは、手技を使って筋膜に働きかけると、脳が自ら変化することができることを活用している。その性質を使うと、身体の姿勢に大きな変化が起こり、肩こりや腰痛も軽減していくのだ。

実は、普段の生活でも「脳の可塑性」を使って、集中したいときに、どう集中し、学習効果をどう高めるのか?日常生活の中で、応用することができる。今回は、その点について簡単にまとめていきたい。

究極の手段として〜十分な睡眠を摂る

実は、集中力を上げるもっとも手っ取り早い方法が一つある。それは十分な「睡眠」を摂ることだ。これは、集中力を高めるだけではなく、認知、身体的パフォーマンス、ホルモンのバランス、免疫機能等の改善などが報告されているのだ。しかも、睡眠は学習効果を定着させる役割もあり、注目されているのだ。

十分な睡眠をとっている事を前提に、集中力について話したい。

集中力に関わっている3つの神経伝達物質

脳の神経細胞は、神経伝達物質を作ることが知られている。その中でも集中力に関わっているのは、ノルアドレナリン、アセチルコリンとドーパミンの3つだ。スタンフォード大学のAndrew Huberman教授は、集中力に関し「矢印のモデル」で考えるとわかりやすいことをポッドキャストで紹介しているので、それに沿って紹介したい。

ノルアドレナリンは、集中に必要な「エネルギー」「警戒心」「原動力」を与えるもの、矢印でいえば、矢の骨格を現す。アセチルコリンは、「注意」「集中」「スポットライト」を現すように、矢印の矢で、一点に集中する上で重要となる。最後に、ドーパミンは「報酬」「モティベーション」や「持続力」を現し、如何にして、集中力を持続させるのか?を現す。

このように3つの神経伝達物質は違った役割を果たすが、それぞれどのようにして上げていったらいいのか?次に紹介したい。

ドーパミンを上げるには?〜集中力を持続する

集中力を持続するために重要なドーパミンを上げるには、早朝に日光を浴びること、カフェインを摂ること(いずれもドーパミンの効果を高める)、冷えた風呂やサウナを活用すること等がある。ADHDの治療薬にはドーパミンを上げるものがあるが、それよりも簡単にできるのがいい。しかも、冷えた風呂はやサウナは、ドーパミンを上げるだけではなく、その後値が安定するという報告もあり有用だ。

ノルアドレナリンを上げるには?集中力のエネルギーを高める

集中力のエネルギーとなるノルアドレナリンを上げるには、軽い運動と他人との会話が挙げられる。なぜかというと、ノルアドレナリンは身体を動かす部位と関係が深いためだ。ドーパミンを上げるのと同様に、冷えた風呂やサウナも効果があり、更に呼吸法でもあげることができる。

余談になるが、ノルアドレナリンは、学習効果を定着させるためにもあげておくことが重要だ。記憶の研究では、勉強をした直後から5〜10分後に、ノルアドレナリンを増やすと、脳は学習効果を定着させる状態になるらしいのだ。興味深いことに、学習中は、集中や冷静さが大事なので、ノルアドレナリンを増やしすぎると、逆効果になるらしい。

アセチルコリンを上げるには?集中力の絞り込みに関わる

集中力において一点に絞り込む役割を果たすアセチルコリンを上げていくには、同じ距離で一つのもの(自分が観察しやすいものであればなんでもOK)を30秒から60秒にかけて注視することが重要とのこと。視野を狭めてから、仕事に取り組むという意味でもある。

タバコは3つ同時にあげる!

なんと、タバコは、ドーパミン、ノルアドレナリン、アセチルコリンの3つを同時にあげる、最強の嗜好品。これがあるから、健康に悪影響を及ぼすという報告があるにも関わらず、辞められないという現象が起きるのだ。

タバコを使わなくても、先述のように生活習慣の改善を含め工夫していけば、集中力を高めていけるので、是非ともご興味がありましたら試されるといいと思う。

失敗やイライラ感は集中力を高める

最後に、なかなか覚えられないといったイライラ感、うまく学習できなかった、試験に失敗した!といったことが、結果的に、脳の集中力を高め、問題を解決させる方向へと導くことも知られていることから、必ず成功すると思って、学習することをお勧めしたい。

まとめ

今回は、集中力を高めるために、日常生活で工夫できる事を中心に取り上げた。少しでもこの投稿が役立つ事を願っています。